WMC2016名古屋予選イベントカバレージ

​Round 5:石井泰介(神奈川) vs. 成田知聡(埼玉)

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モダンは広い。
10年以上、ウィザーズ社がその叡智を傾けて作り続けた様々なカードプールに、毎年数百枚の新たなカードが追加され続ける。
その結果、昔は見向きもされなかったようなカードが急に使われるようになったり、一世を風靡していたカードも、突然にトーナメントシーンから姿を消すことがある。
広範すぎるそのカードプールは、プレイヤーが全方位的に最強のデッキを作る事を咎める。
そんな環境だからこそ、競合プレイヤーたちは口をそろえて言う。

「モダンはやりこみゲーだ。」

メインデッキでのマッチアップだけなら、練習することも出来るだろう。だが、サイドボード後のゲームも含めるとなると、練習に必要な時間は飛躍的に増える。グランプリやプロツアー予選、ましてやプロツアー本戦も含めると、一年中様々なフォーマットでの練習が要求される中、モダンを極めるのはそう簡単な事では無い。

では、ずっと同じデッキを使えばどうなるのだろう?

2014年のプロツアー神々の軍勢で好成績を残して以来、ずっと同じデッキを磨き続けてきたのが石井だ。
《クラーク族の鉄工所》 《蔵の開放》 《信仰の見返り》 をキーパーツとした無限マナ系のアーティファクトデッキを、足掛け三年、石井は様々なグランプリで、PPTQで、RPTQで使い続けてきた。

様々な紆余曲折を経てたどり着いたレシピには、細かい調整の跡が残る。

どんなマッチアップも、3年という長いスパンでの経験で勘所を得ている。

ドレッジの隆盛により、墓地対策がサイドボードの枠を圧迫し、減りつつあるアーティファクト対策のすきをついて、全勝でここまで来た石井。

対するは、普段はレガシーを中心にプレイする成田。
モダンが主戦場ではないものの、モダンをプレイするときは殆どトロンを使うといい、デッキの練りこみとプレイ練度には自信があるようだ。
レガシーという、モダンよりもさらに広いカードプールと多種多様なデッキがあふれかえる環境でのプレイ経験をもとに、石井と同様にここまで土つかず。

モダンの荒波の中で研ぎに研いだ石井のアイアンワークスが勝つのか、レガシーという無限ともいえる環境で培ったプレイスキルを持つ成田のトロンが勝つのか。

勝負の模様をお届けしよう。
 

Game 1

石井 《テラリオン》 、成田は 《ウルザの魔力炉》 から 《探検の地図》 をプレイ。

石井はさらに 《彩色の星》 をプレイしつつ、 《幽霊街》 セット。まずはトロンランド成立を牽制する。

成田は少し悩んで、 《探検の地図》 から 《燃え柳の木立ち》 をサーチして、色マナを確保するプランに変更。
3ターン目にトロンランドが揃ってしまうとどうしようもない石井は、相手のアップキープに 《幽霊街》 を起動し、相手のトップスピードを咎める。

しかし成田も動きは悪くない。 《燃え柳の木立ち》 セットから、 《森の占術》 《探検の地図》 と繋げ、次ターンでのトロンランド成立を示唆する。



お互いに暖機運転をし、そろそろ成田がゲームを決めに掛かると思われた刹那、石井がおもむろに動いた。

自ターンにドローをすると、 《猿人の指導霊》 を追放してマナを捻出。
《クラーク族の鉄工所》 をプレイ。

《写本裁断機》 《オパールのモックス》 と追加して、諸々のアーティファクトをいけにえに捧げて7マナを獲得。3マナ浮かせつつ 《信仰の見返り》 をプレイ。

《写本裁断機》 《信仰の見返り》 +キャントリップアーティファクト+ 《クラーク族の鉄工所》 が揃い、デッキが無限に循環する。

成田は、デッキの動きをしかと見届け、次ゲームに生かすために、最後までデッキの動きを確認する。

潤沢なマナを確保しつつ 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 にたどり着きこれを石井がプレイしたところで、成田が投了。

石井 1-0 成田
 

Game 2


石井マリガン。

マリガン後、キャントリップカードを引けず、もたついている石井に対し、 《ウルザの魔力炉》 《ウルザの鉱山》 とプレイしていた成田が、3ターン目にカードを引いた瞬間に、おもむろにカードを叩きつける。
《ウルザの塔》 を素引きした成田は、そのまま軽快に 《解放された者、カーン》 をプレイ。石井の土地を追放する。

石井、このまま負けてはいられないと、サイドから投入した 《月の大魔術師》 をプレイするのだが、これは 《解放された者、カーン》 能力で追放。
《解放された者、カーン》 は忠誠度が0になってしまうが、さらに 《解放された者、カーン》 が追加で戦場へと降り立つ。都合3枚の土地を追放され、さらには 《世界を壊すもの》 で場からは土地が無くなるばかりか、 《テラリオン》 を追放するというところまで来てしまう。

何も出来ない石井をしり目に、 《彩色の星》 のキャントリップから、 《森の占術》 《ウギンの聖域》 サーチし、そこから 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 が登場し、石井投了。

石井 1-1 成田
 

Game 3


成田は三度7枚でキープするも、石井は再びマリガン。
お互いに 《彩色の星》 の鏡打ち。目的は違えど、デッキを円滑に動かす為のアーティファクトを置き合う展開。



成田、ウルザランドの3ターン目達成は適わず、2ターン目は2枚目の 《ウルザの塔》 設置。芳しくない手札構成かと思いきや、3ターン目には 《ウルザの鉱山》 セット、 《探検の地図》 をプレイしつつの、 《大祖始の遺産》 をプレイと、相手のコンボを牽制しながらウルザランド成立を匂わす、理想的な展開を見せる。

ここで、まごついてしまうと勝ちが数くなってしまう石井。 《月の大魔術師》 をしっかりと引き込んでおり、これをプレイ。成田は厳しそうな顔でこれを了解し、 《ウルザの魔力炉》 を持ってくるはずだった 《探検の地図》 で、 《森》 をサーチし、デッキが機能不全に陥ることを防ぐ。

《月の大魔術師》 《大祖始の遺産》 によりスローダウンしたゲームは、お互いに土地を置き合いながら、ゆっくりと 《月の大魔術師》 が成田のライフを削る展開。

2枚目の 《月の大魔術師》 が石井の場に登場し、クロックを増やしつつ、 《クラーク族の鉄工所》 をプレイして、隙あらばコンボを決めるというプレッシャーもかける。
手札にはフィニッシャーばかりがたまってしまっている成田。渋い表情をしながらターンを返すと、二枚の 《月の大魔術師》 のアタックにより、成田のライフは10まで落ち込む。

余り悠長にしていると、そのままゲームが終わってしまいかねない。このプレッシャーに耐えかねた成田は、今まで 《大祖始の遺産》 の墓地全追放の為の1マナを残しながら動いていたが、意を決して 《世界を壊すもの》 をプレイ。 《クラーク族の鉄工所》 を追放しようとする。これは、予定調和的にスタックで生贄にささげ墓地へ。

フルタップした成田がターンを返すと、石井の動きが加速する。

大事に温存していた 《クラーク族の鉄工所》 2枚目をプレイして、ため込んでいた 《胆液の水源》 を3つ生贄に捧げ、マナと手札を補充。ゆっくりとしたゲームによって溜まっていたアーティファクトを生贄に捧げ、 《信仰の見返り》 《大祖始の遺産》 で1枚アーティファクトを追放してみるものの、大勢に影響は無く、瞬く間に石井のマナと手札は膨れ上がり、 《写本裁断機》 が場にあることを確認して、成田は投了。

石井 2-1 成田

石井、土つかずのまま折り返し、5-0で次のラウンドへ!


 
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