WMC2016名古屋予選イベントカバレージ

​Round 3:渡辺 雄也(東京) vs. 原根 健太(東京)

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日本代表最後の座をかけて196名が集結したWMCQ名古屋予選。その最初のフィーチャリングマッチでは、このふたりの戦いをお届けしたい。

2012年から国別対抗戦に代わって開催される事となったワールドマジックカップも、今年で5回目。そして、昨年までの4回すべてに参加している男がいる。

それが、Team Cygames所属の渡辺 雄也(東京)だ。



先日、ついにプロキャリアが10年となり殿堂入りが決定した渡辺だが、この4年間、すべてのWMCに置いて、国内最多プロポイントのキャプテン枠として参加し続けていた。

WMCでの日本チームの歴史は、苦難の歴史であったと言っても過言ではないが、その苦難を一身に背負い続けたのが、渡辺なのだ。そして今年。ついに、国内最多プロポイントの座を八十岡 翔太(東京)へと譲り、最後の代表の席をかけて、この名古屋の地で戦う。

対するのは、名古屋出身のHareruya Pros所属、「J-Speed」こと原根 健太(東京)だ。

多くのTCGでの輝かしい戦績、そして昨年のグランプリ京都での活躍から注目選手となった原根であったが、その後の昨シーズンの成績は決して芳しいものではなかった。

だが、先日開催されたグランプリ京都、思い出の地でのチーム戦で見事☆トップ4☆となり、プロツアー『霊気紛争』の権利を獲得。今期、最低でもシルバーレベル、できればゴールドレベル以上のプロレベルを目標とする原根にとって、絶好のスタートとなった。

そして、もちろん、WMCでもプロポイントの獲得のチャンスはある。地元名古屋ということもあり、原根からは気迫が伝わってくる。

一方の渡辺は、緊張感が希薄で、どこか日本代表の重責から解放された感がある。たしかにそれは当然で、渡辺はWMC以前の国別対抗戦でも、2009年・2008年の2回、日本代表を務めているのだ。

10年で6回。そのキャリアの半分以上で日本代表だった渡辺が開放感に浸ることを誰が責めることができようか。とは言え、「ヤソとのWMCは楽しそうだな~」くらいの気持ちだったかどうかは知らないが、わざわざ名古屋まで遠征してきた以上は勝負は勝負である。

使用するデッキは、渡辺は世界選手権でも使用したグリセルシュート、原根はグランプリ広州でも使用した感染だ。グランプリ京都直後だけに、広大なモダン環境を改めて練習する暇もなく、互いに使用経験のあるデッキを持ち込んできた形だ。

自分より若いプレイヤーの出現と隆盛を誰よりも望み続けてきた渡辺が、(マジックでは)新鋭の原根の前に壁として立ちはだかる。
 

Game 1



ダイスロールで先手は、渡辺。原根のキープに対して、渡辺はマリガンを宣言。ゲームターン数が短かいモダン環境において、初手の重要度は高く、マリガンは重要な技術介入要素となる。

マリガン後の渡辺の手札は、土地が3枚に2枚の 《手練》 、そして 《猿人の指導霊》 というもの。少考の末に、渡辺はこれをキープし、 《汚染された三角州》 から 《島》 をサーチすると、早速 《手練》 をプレイし 《イゼットの魔除け》 を手に入れる。

対して、原根はまずは《ギタクシア派調査》を2点支払ってプレイし、渡辺の手札を確認すると、さらに2枚目をプレイし、山札を掘り進める。そして 《繁殖池》 をサーチすると、 《貴族の教主》 をプレイする。

渡辺 「やっぱそれだよね」

原根 「そうですね」

渡辺 「俺もワールドぶりだもん、モダンやるの」

この時点で、原根のデッキが感染であることを理解した渡辺は、続いて土地を置く前に 《手練》 の2枚めをプレイ、さらに 《血の墓所》 をタップインしてターンを終える。

原根は 《森の占術》 《ペンデルヘイヴン》 をサーチすると、これをセットしてターンを終了。渡辺は 《イゼットの魔除け》 をプレイすると、手札から 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 をディスカードし、墓地を山札に混ぜてターンを終える。

《引き裂かれし永劫、エムラクール》 をディスカードするということは、手札に少なくとも 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 があるということであり、そして、渡辺が少考するときに、すでに手札に3枚のカードを横によけていた以上は、時間はほとんどないと言える。しかし、有効手段の無い原根は 《荒廃の工作員》 をプレイしてターンを終える。

渡辺が横によけていたカードは、 《猿人の指導霊》 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 、そして 《裂け目の突破》 。渡辺が土地を置き、 《猿人の指導霊》 からマナを出して 《裂け目の突破》 をプレイすると、原根は少考。

そして、通った 《裂け目の突破》 から 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 が登場すると、滅殺6を待たずにパーマネントをすべて片付けた。

渡辺 1-0 原根

渡辺 「ワールド、全部後手だったから、久しぶりに先手やったわ」

原根 「いつ以来ですか?」

渡辺 「ワールドの前、いつモダンやったか忘れたわ」

ある程度の気楽さをもって話しかける渡辺に対して、原根はそれこそまるで芸人がすべらない話に出る時かのような緊張感を持ってサイドボーディングを終え、次戦に備える。

Game2


今度は先手の原根がマリガンを宣言。対する渡辺は「キープするかって言われると難しいハンドだな……」といいつつ、キープを宣言する。原根も 《墨蛾の生息地》 2枚を含む土地3枚と、《ギタクシア式調査》、そして 《巨森の蔦》 2枚の手札を長考の末キープし、マリガン後の占術でまたも長考する。

渡辺 「この段階で、僕らの感覚ではもう3ターン目くらいですから」

それくらいにモダン環境が早く、とにかく初手の選択がゲームの明暗をわける。そんな渡辺のコメントを聞きつつ原根は占術はトップに固定し、 《墨蛾の生息地》 をセットしてターンを終える。

渡辺は 《沸騰する小湖》 をセットしてターンを終了。原根は《ギタクシア式調査》で渡辺の手札を確認し、 《墨蛾の生息地》 でアタックする。 《変異原性の成長》 をケアして、まずは毒カウンターを1つ受けた渡辺はターンエンドに 《猿人の指導霊》 を使用しての 《イゼットの魔除け》 で除去する。


渡辺は土地を置いてターンエンド。対する原根も 《墨蛾の生息地》 を置き直してターンを返す。

続く渡辺のターン。渡辺は、土地を置いて3マナを確保すると、まずは 《集団的蛮行》 をプレイし、 《古きクローサの力》 を捨てさせる。そのターンエンドに原根は 《墨蛾の生息地》 をクリーチャー化すると、 《よじれた映像》 をプレイして山札を掘り進める。除去が飛んできかねないマナを残してる渡辺は「勇気あるね」と一言。原根は「ここでやらないとダメなんで…」と返す。

続くターンに原根は 《墨蛾の生息地》 をさらに置いて、アタック、渡辺に2つ目の毒カウンターを与える。

《引き裂かれし永劫、エムラクール》 《裂け目の突破》 はあるものの、土地が3枚で止まっている渡辺。このターンと次のターンに土地を置けば 《裂け目の突破》 が撃てるため、除去を構えられる唯一の赤マナを使用しつつ、山札を掘り進めるべく 《信仰無き物あさり》 をプレイする。

すると、そこで引き込んだのは 《御霊の復讐》

《引き裂かれし永劫、エムラクール》 をディスカードしつつ、山札に戻る誘発にスタックして 《御霊の復讐》 のプレイを宣言すると、原根は再び滅殺6を待たずして土地を片付けた。

渡辺 「ワールドではOwenの感染に負けたけど、まだまだ若いもんには負けないよ」

渡辺 2-0 原根
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