WMC2015大阪予選 イベントカバレージ

Decktech:市川 ユウキの青白コントロール

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「狂犬」

時には賛辞ともなるこの言葉が最も似合うマジックプロ。

それは瀬畑こと市川 ユウキだろう。

物怖じも人怖じもせずに語るそのスタイルは、ニコ生配信時からコアな人気を誇り、そして、プロツアー2連続トップ8入賞からのプラチナレベル達成を経て爆発的な人気プレイヤーとなった。

といったことは改めて説明するまでも無いだろう。

市川の「狂犬」っぷりは、自己の価値観を強く肯定しているからであり、そのスタンスはプレイングやデッキ構築に大きく出ている。マナベースやカード選択のひとつひとつに妥協がなく、だからこそ、自身のデッキや信念についても良く語る。彼の記事、特に調整期の質の高さは「情報発信」という意味では日本のプロプレイヤーの中では現在ナンバーワンだ。

彼の持つ理論はストイックなまでに掘り下げられ強い思想を持っている以上、ただの「狂犬」ではなく、「狂犬の思想家」とでも呼ぶべき存在なのだ。

そして、「狂犬の思想家」は今日も会場で吠えて、説く。

市川 「かー、きっちぃ!会場で間違いなく一番はやいプレイして2-0ストレートでも35分かかっちゃうよ、きっちぃ!」

市川 「いやいやー、ダメでしょ、アナログのスピードを限りなくゼロにしてデジタルに近づけなきゃ」

何を言っているかわからないが、せっかくなので狂犬にしっぽを振ってデッキテックインタビューをとらせていただこう。わんわん。


メインボードとマナベース


--「本日はお疲れ様です。今回使用しているのは青白コントロールということですが……このデッキは結構前からMagicOnlineで結果をだしたデッキリストとして市川選手のアカウント名で公開されていたりして、結構話題になっていましたね」

市川「そうですね。WMCQに向けてかなりこのデッキを回していましたからね」

--「そもそも、青白コントロールを今回使用しようと考えたきっかけはなんだったんですか?」

市川「最初、WMCQに向けてのスタンダードの調整をするにあたって、アブザンコントロールの調整を始めたんですけど、デッキを回している中で、青系のコントロールにあたってて、青系のコントロールが今、強いということになって」

--「それはプロツアー時からメタゲームがかわって苦手なデッキが減っていたからですか?」

市川「そうですね。ミッドレンジ系が増えたことで赤単が減っていたので、赤単が苦手でミッドレンジに強い青系が強いという結論になりました」

--「青系といっても色々ありますよね。それこそ注目カードである 《衰滅》 を使える青黒系とか、青白を含むとしても火力のオプションが増えるジェスカイとか。そこをあえて青白に絞った理由はなんですか?」

市川「そういう風に聞かれてしまうと、むしろ、もっとそもそもの話を説明しなきゃいけないみたいなんですけど、そもそも、青黒と青白の一番の違いってなんだと思ってますか?」

--「え?……よくわからないですけど、それって八十岡さんが言う、青黒でも青白と青黒があるみたいな話ですか?」

市川「あの話は僕もよくわからないです」

--「白と黒は色が違う、とかそういう根本的な話ですか?」

市川見ればわかること聞いて意味あるんですか?青白と青黒の一番の違いはマナ拘束が違うんです。青黒に比べて、青白はマナ拘束が非常に小さい形でデッキを組めるんです」

--「あぁ、なるほど」

市川「まぁ、これもカードリストを見れば分かる話ではありますけど。で、そうすると、マナベースの面で大きなことがあるんです」

1.タップインを出来る限り減らせる

--「現在の2色以上出る土地はほぼタップインであることを考えると、マナ拘束が少ない=マナベース上で確保しなければいけない青マナと白マナが少ない=その分土地の枚数に対して必要な2色土地が減る=タップインの土地が減る、ってことですね」

市川「急に物分かりがよくなりましたね……実際、3色デッキともなると、タップインの枚数がものすごいことになりますからね。本当に3色土地が必要なマナベースなのか、もしくはデッキ構築なのか、をもう一度考えるべきです」

--「そうすると、中速よりとは言え、2マナ域・3マナ域が強力な現在のスタンダードに対して、序盤から主導権を渡さずに戦えるということですね」

市川「それと、タップインが少ないことによって、現在のスタンダードで青を使う理由になり得るカードの価値を最大限にできるんです」
 
Clash of Wills / 意思の激突

市川「それが 《意思の激突》 です」

--「いわゆるX打ち消し呪文ですね。このカードがそんなに活躍するんですか?」

市川「現環境は、マナカーブに沿ってそれぞれのマナ域で一番強いカードを展開していくデッキが主流で、その上でタップインランドが多いデッキばかりなので、マナに余裕がないんですよね。だから、このカードは青を使う理由になるカードだと僕は考えていますね。このカードをもっともうまく活用できることこそ、青白を使う最大の理由になります」

2.無色土地を多く採用できる

市川「次に、色拘束が少ないマナベースなので、無色ランドを活用できるのも青白を使う上で見逃せないところです」

--「たしかに、現在のスタンダードは、実は結構強力な無色地形多いですもんね」
 
Radiant Fountain / 光輝の泉

--「2点ゲイン土地は大活躍でしたね」

市川「このカードは入れられるデッキがあるなら強いカードですからね。ライフ詰めてくるデッキに自分の展開を阻害しないでターンを稼げるのは強いですよね」
 
Haven of the Spirit Dragon / 精霊龍の安息地

--「この土地は……回収できるの 《精霊龍、ウギン》 だけに見えるんですけど……」

市川土地なのに 《精霊龍、ウギン》 を回収できる、それがこのカードの強いところです」

--「でも、対象があまりに狭いじゃないですか……序中盤では無駄カードになってしまいませんか?」

市川「いや、逆ですよ、それは。序盤から中盤は土地として活躍が見込めるカードが、終盤には勝ち手段としてもカウントできるから強いんですよ。それが無色土地を有効な土地としてカウントできる色拘束の薄さという青白の持つ利点なわけです。このデッキはリスクを出来るだけ低くしたいデッキなので、そもそも勝ち手段をデッキにほとんど入れたくないんです」
 
Ugin, the Spirit Dragon / 精霊龍、ウギン Elspeth, Sun's Champion / 太陽の勇者、エルズペス

--「たしかに、このデッキで勝ち手段となりうるカードって 《精霊龍、ウギン》 《太陽の勇者、エルズペス》 くらいですよね」

市川「そうですね。その2枚に併せて、 《精霊龍の安息地》 で勝ち手段は3枚ですね。これを全部対処されたら、あとは…… 《卓絶のナーセット》 の奥義で相手の対抗手段を封じてから 《束縛なきテレパス、ジェイス》 でライブラリーアウトを狙うしかなくなりますね」

--「気が長いですね」

市川「えぇ。ただでさえ時間がかかるデッキなのにもっと時間がかかりますよね。あと、そうなってくると 《卓絶のナーセット》 のプラス能力があたっても、相手の山札の枚数との兼ね合いで手札を増やさないみたいな配慮が必要になってきますしね」

--「それなら、もっと勝ち手段を増やしたほうがいいんじゃないですか?」

市川「いや、それはできないですね。このデッキはできるだけリスクをとらないで済ませたいデッキなので、勝ち手段という最終盤にしか機能しない振る舞いにムラのあるカードをいれてしまうのは、構築の段階でリスクなんです。そのリスクを減らさないなら、そもそも青系を使っている意味がないですよね」

--「なるほど。そう考えるなら、たしかに 《精霊龍、ウギン》 はリセットとして、そして 《精霊龍の安息地》 は土地として、最終盤以外にも役割を持っているから、最低限、紛れを減らせてるわけですね」

市川 《太陽の勇者、エルズペス》 も相手の攻勢を止める防御手段としても非常に優秀なカードですからね。あと、 《精霊龍の安息地》 の場合、使いすてた 《精霊龍、ウギン》 を回収できるだけでなく、 《ヴリンの神童、ジェイス》 で捨てた 《精霊龍、ウギン》 も回収できますからね。序盤に手札でだぶついた 《精霊龍、ウギン》 を捨てられる 《ヴリンの神童、ジェイス》 は優秀ですよ」
 
Jace, Vryn's Prodigy / ヴリンの神童、ジェイス Dig Through Time / 時を越えた探索 Anticipate / 予期

--「2マナという最序盤に戦場にだせるカードで、特に序盤に顕著な手札の紛れを解消できるのは、紛れを減らしたいという視点では非常に理にかなってますよね。同じく、必要ない勝ち手段を山札の下に送り込んでしばらくは見る必要がなくなる 《時を越えた探索》 《予期》 も、その思想の上ででしたら重要なカードですね」

市川 《予期》 は、ほぼ確実にサイドアウトされてサイドボードのカードになるんですけど、メインボードで必要ないサイドカードを抱え込むよりかはいい働きをしてくれるので。そういう意味では、メインボードとしては必要な動きをしてくれているカードですね」
 
Last Breath / 今わの際

市川 《予期》 は別として、 《ヴリンの神童、ジェイス》 、X=1での 《意思の激突》 、そして 《今わの際》 と2マナ域にほぼ確実に活躍してくれるカードがあって、序盤の動きにムラが無いのはこのデッキの良い所ですし、だからこそ、ますますタップインを減らして先手でも後手でも2マナ域の動きをできるようにしたいわけです」

--「ちょっと待って下さい。 《今わの際》 は相当対象限定されていて、例えば後半ではあまり役にたたなかったりと、そういう意味では構築の段階でリスクをとっているんじゃないですか?」
 
Hangarback Walker / 搭載歩行機械

市川「そもそも、環境に蔓延している 《搭載歩行機械》 に適切なタイミングで対処できるカードをデッキに入れないリスクのほうが大きいですよ。後半は、 《ヴリンの神童、ジェイス》 で捨てたり 《時を越えた探索》 で手札に来ないようにしたりと、その段階での選択肢が増えてる分リスクを回避する方法も増えてますし。あと、 《束縛なきテレパス、ジェイス》 のプラス能力で相手のパワーをマイナスして 《今わの際》 を使うという形で後半でも使えたりしますね」

--「冗談みたいな話ですね」

市川「冗談みたいな話ですけど、これが馬鹿にできなくて実際、こういう使い方はよくします。なんにせよ、後半は引いているカードが増えている分プレイングでリスクを軽減できる余地が増えているので、引いているカードそのものが少なくて選択肢を選ぶという形でリスク軽減ができない序盤のリスクを下げるべくデッキのカードは選択したいです
 
Dragonlord Ojutai / 龍王オジュタイ

--「青白といえば、な感じである 《龍王オジュタイ》 を採用していないのもそれが理由ですね」

市川「そうですね。あくまでも 《龍王オジュタイ》 は攻守伴って強いカードです。こういう風にほとんど攻めないデッキでは、ただの5マナ5/4ブロッカーとして使う事が多いので、入れないですね。振る舞いにムラがあるカードをデッキにいれるのは、潜在的にディスアドバンテージというリスクを持っていますから」

--「デッキ構築の時点でマリガンしているわけですね」

市川「そうですね」
 
Mage-Ring Network / 魔道士輪の魔力網

--「ちょっと勝ち手段の話に偏ってしまいましたけど、残る無色土地が、貯めランドである 《魔道士輪の魔力網》 ですね」

市川「これは完全に頼れるって枚数入っているわけではないですが、序盤からこれをためていくことで、比較的終盤よりなカードである 《精霊龍、ウギン》 を中盤で使えるようにしてくれますね」

--「6マナ域とか7マナ域で 《精霊龍、ウギン》 を使えることで、後半しか使えないという 《精霊龍、ウギン》 のムラを減らせて序盤の選択肢を増やせる可能性があるということですね」

市川「そうです。もちろん、大前提として、色拘束が少ないマナベースなのでアンタップインの無色土地が構築上もたらしているリスクが低いという前提ですけどね。色拘束が強い青黒とかだと、同じように活用しようとしても、色マナリスクの方が大きすぎて 《精霊龍、ウギン》 のリスク軽減を構築上吸収しきれなくなってしまいますね」

--「なんとなく見えてきましたが、マナベースの安定感のお陰で、構築時にプレイ上のリスクを軽減することができるのが青白の魅力なんですね」

市川「ええ。あと、 《魔道士輪の魔力網》 が構築時に軽減してくれているリスクは 《精霊龍、ウギン》 の序盤のリスクだけじゃなくて、 《意思の激突》 の終盤のリスクも軽減してくれてますね。相手のマナが揃ってくるとX系の打ち消しは無駄カードになるリスクがどんどん上がっていくものですけど、 《魔道士輪の魔力網》 にカウンターをためていればそのリスクを軽減できるわけです」

--「なるほど。そう考えると1枚の 《魔道士輪の魔力網》 も入れておくだけ得ですね」

市川「当然、入れるだけで得な入れ得なわけではないですよ。どんなデッキであっても採用できるリスク軽減方法ではないですから。土地を引きたい絶対量から考えて、デッキに入れたい土地の絶対量は決まりますが、デッキ内のスペルの色拘束から考えられるデッキに入れたい色マナの枚数でマナベースに安定感があるお陰でやっと、微差ながらデッキのなかに無色土地を入れるリスクを下げることができるわけです。そして、その中で、デッキの他のパーツが持っているリスクをどう下げるかを考えて取捨選択をするわけです」
 
Foundry of the Consuls / 領事の鋳造所

--「なるほど。例えば、一見 《精霊龍の安息地》 のように勝ち手段を兼ねる無色土地である 《領事の鋳造所》 が採用されないのも、他のカードのリスクを軽減する役割を兼用しないからですね。そもそもリターンも 《精霊龍の安息地》 より低いからなのかもしれませんけども」
 

サイドボードについて


--「思想が強いメインボードにくらべると、サイドボードはかなりわかりやすいカードで構築されてますね」

市川「そうですねぇ……結局サイドボードは相手のデッキという結果がわかった上でもっともリスクを下げてくれる領域なので、より適切なカードを選べばいいだけではありますからね」
 
Nyx-Fleece Ram / ニクス毛の雄羊 Arashin Cleric / アラシンの僧侶

--「その中で見ると、アグロデッキ対策とかんがえられる 《ニクス毛の雄羊》 《アラシンの僧侶》 が2枚ずつで散らされてるのは、なんというかムラがあるというか、リスクをとっているように見えますね」

市川「いや、そんなことはないです。そもそもこの2枚のカードの特性をすごく単純に言えば、アブザンアグロ相手には 《ニクス毛の雄羊》 の方が効果的で、赤単相手には 《アラシンの僧侶》 が効果的なんです」

--「そうなんですか?」
 
Lightning Berserker / 稲妻の狂戦士

市川「理由は全部は説明しませんけど、例えば、このデッキが 《稲妻の狂戦士》 を効果的に対処できないというだけでも全然違いますよね。タフネスの低いクリーチャーが多い赤単相手にはパワーが1あるということが重要なんです」

--「なんだかんだで説明してくれましたね」
 
Ojutai's Command / オジュタイの命令

市川「いや、例えば 《オジュタイの命令》 と組み合わせて7点ゲインしたりとか、 《ニクス毛の雄羊》 だとできないことはいっぱいあるわけです」

--「やっぱり説明してくれてますね。でも、そう考えると、やっぱり対策にムラがあるようにしか見えないですよね。この構成だと、アブザンアグロ相手に 《アラシンの僧侶》 を引いてしまったり、赤単相手に 《ニクス毛の雄羊》 を引いてしまうという形のリスクを背負っているようにみえるんですけど……」

市川そもそも、アブザンアグロ相手に 《アラシンの僧侶》 は引くリスクはゼロです

--「え?」

市川「この構成になっているのは、一番きつい相手である赤単相手に効果的なサイドボードが少ないけど、環境で多数だろうと思われるアブザンアグロ相手のサイドボードを必要以上に減らすことができないなという所からなんですけど、アブザンアグロ相手のサイドボーディングを子細に検討した結果、アブザンアグロ相手に 《ニクス毛の雄羊》 を4枚入れることはなかったんですよね。なので、それならそのうちの2枚をより赤単相手に効果的な 《アラシンの僧侶》 に入れ替えたわけです」

--「赤単の時も、本来 《ニクス毛の雄羊》 だったところを 《アラシンの僧侶》 を引いているわけで、上ブレだと」

市川「そうですね」

--「ちなみに、赤単がかなりキツイということでしたけど、他に苦手なデッキはありますか?」
 
Pearl Lake Ancient / 真珠湖の古きもの

市川「青黒コントロールも少しきついですね。手札破壊があるコントロールは構成上相性はわるいです。コントロール相手のサイドボードである 《真珠湖の古きもの》 も、ジェスカイコントロールとか相手だと強いですが、青黒相手だとジェスカイ相手ほどは活躍しないですね」
 
Fated Retribution / 宿命的報復

--「あとは…… 《宿命的報復》 とかも珍しいといえば珍しいですか。これはどういう相手にいれるんですか?」

市川「緑信心とか、とにかくリセットが効く相手ですね。緑信心は元々相性いいんですけど。リセットが効く相手には7マナの 《精霊龍、ウギン》 の様に機能しますよね」

--「リセットは効く相手と効かない相手が顕著だから、メインではリスクを下げるために勝ち手段兼用の 《精霊龍、ウギン》 だけど、効く相手のサイド後は遠慮なく 《宿命的報復》 だということですね」

市川「そういうことです。わかってきましたね」
 

プレイングについて


--「最後にプレイングについてお聞きしていいですか?」

市川とにかく早く!

--「え?具体的な内容は無いんですか?」

市川「具体的な内容は、とにかくリスクをとらないプレイをしていく、しかないですね。で、そのためのプレイをしているととにかくゲームが長引いて時間内に終わらなくなってしまうので、いかに早くプレイするかが重要なんです」

--「なるほど……」

市川「物理的な時間拘束のせいでリスクをとらなければいけなくなるなら、それは正確なプレイをできなくなっているということです。正しい選択肢を選ぶためには、まずはプレイのスピードをできるだけ早くする必要があるんです」

--「それは判断力を、ってことですか?」

市川それは青白使うなら早くて当たり前です。今話してるのは、もっとアナログな話です」

--「手を早く動かせ、とかですか」

市川「ムダもなくしていきたいですね」

--「たしかに、市川さんの、例えば 《時を越えた探索》 の動きとか、山札に手をかけた瞬間に迷いなく7枚手にしてますもんね」

市川「そうですね。手の感覚で7枚わかるのはもちろんですけど、 《時を越えた探索》 の場合は、コストが8で枚数は7と数字が違うので、早く動こうとすると、脳が誤認してうっかり8枚一瞬とって、1枚戻すみたいなタイムロスが生まれてしまうこともあります。まずは8、そして7という流れを脳に叩き込んで、脳のアナログ信号なロスを出来る限り減らしたいですね」

--「なんか、ネタを手にとった瞬間に的確なシャリの量を勝手に手に握っている寿司職人の話みたいな話ですね」

市川「実際に、MagicOnlineでは時間切れで負けたことは無いので、アナログなロスを限界までゼロにして、デジタルに限りなく近づくことで引き分けのリスクをゼロにすることが可能です」

--「市川さんは人を超えようとしているんですか?」

市川「そんな大げさな話ではないです。ただ、青白は環境にもっともフィットしたデッキだけど、リアルのトーナメント事情というアナログな環境にはフィットしていないので、そこをアナログ要素をできるだけ下げてフィットさせようと、そういうことです」

--「もう人間のレベルの話はでてこなそうですので、プレイングの話は諦めます。今年の市川プロの目標はなんですか?」

市川「渡辺雄也を男にできるのはオレだけだと思うので、まずは日本代表を目指します。あと、日本のマジックファンを最も楽しませているプロなのもオレなので、今年も日本のマジックファンを誰よりも楽しませてしまうんでしょうね」

--「なるほど、それは期待したいです。本日はお忙しい中、ありがとうございました」

市川「いえ、大して時間もかかりませんでしたので。じゃ」

そして、「狂犬の思想家」は風のように去っていった。

なお、このインタビュー自体も高速圧縮言語のような状態で行われており、インタビュー時間が7分弱というのは、私事ながら筆者のデッキテクインタビュー史上最速であったことを最後に付け加えておきたい。
 
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