今週末のデッキはこれを使え!とは?
この記事はプロツアーを目指すトーナメント指向の高いプレイヤーの方や時間があまりとれずデッキ選択に迷っている方に流行のデッキ情報や最新のアーキタイプ情報、戦略・サイドプランなどをお届けするのをメインとした情報記事になります。今週末はスタンダードで行われる日本選手権が静岡にて開催されます。
日本選手権の優勝者と準優勝者は今年の12月にフランスで行われるワールド・マジック・カップ2017への権利が与えられます。
世界最高峰ともいえるマジックのイベントであるワールド・マジック・カップを賭けた大会である日本選手権直前ということで、今回は日本選手権のフォーマットであるスタンダードの特集をやっていきたいと思います。
それでは早速デッキリストを見ていきたいと思いますが、その前に現在のメタゲームの解説を少ししていきたいと思います。
今週のメタゲーム
最近のスタンダード環境のメタゲームはプロツアーの結果から大きく構築され、グランプリや各地のRPTQなどでそれらのデッキをメタったデッキや新しいデッキの登場により徐々に変化していきます。特にスタンダード環境はメタゲームが一週間前の大規模大会の結果が次週の大会の結果に顕著に現れることが多いのでメタゲームを知ることは非常に重要になってきます。
現在のスタンダードは環境終盤ですが、毎週行われるグランプリでは様々なアーキタイプが順々に勝利を勝ち取っておりメタゲームが変化し続けています。
環境初期はプロツアーで勝利した赤単アグロとそれに有利なゾンビビートダウンが流行し、先々週行われたGPデンバーではティムールエナジーが勝利を収め、先週行われたGPトリノとGPワシントンでは奔流の機械巨人コントロールと機体ビートダウンがそれぞれ優勝しています。
Grand Prix Turin 2017
[1st] 2017/09/03 |
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Robin Dolar |
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6
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クリーチャー
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28
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呪文
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26
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土地
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15
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サイドボード
先週勝利を収めた奔流の機械巨人コントロールと機体ビートダウンはそれぞれティムールエナジーに有利が付きます。というのはティムールエナジーのような中速デッキ相手には伸び伸びと盤面を作る猶予があるので自分が得意の終盤以降までゲームを続けることが出来るからです。また採用されている 《スカラベの神》 はティムールエナジーが採用しているカードではほぼ処理できないクリーチャーであっという間にゲームに勝利をもたらしてくれます。
Grand Prix Washington DC 2017
[1st] 2017/09/03 |
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Matt Severa |
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24
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クリーチャー
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12
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呪文
-
24
-
土地
-
15
-
サイドボード
機体ビートダウンは環境初期に速度勝負で負けてしまう赤単アグロの登場とそれをメタったゾンビビートダウンの流行により、その姿を消していました。しかしアグロデッキをメタったティムールエナジーをはじめとするミッドレンジ系のデッキが流行り始め、機体ビートダウンはメタゲームの中へ戻ってきました。 優勝したリストには序盤に押されている状況だと弱い 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 がメインボードに採用されておらず、 《難題の予見者》 が代わりに採用されており盤面をしっかりと支える構築がされており、メタゲームを読み切った構築をしているので納得の優勝だと言えるでしょう。
環境終盤にも関わらずメタゲームが変化し続けるスタンダード環境で勝利しているデッキは毎週のメタゲームを読み切った構築をしておりメタゲームの重要性を表しています。
そんなメタゲームが変化し続けるスタンダード環境で当コラムがオススメする今週のデッキは…!
今週末のデッキはこれを使え!!
Grand Prix Washington DC 2017
[8th] 2017/09/03 |
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Jose Neris |
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24
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クリーチャー
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12
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呪文
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24
-
土地
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15
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サイドボード
また 《熱烈の神ハゾレト》 や 《ラムナプの遺跡》 により長期戦になってもそれぞれの持つ能力によって対戦相手にダメージを与えることが出来るので、対戦相手は盤面を捌くだけではゲームをコントロールすることは難しく序盤の猛攻を捌ききっても油断のできない状況が続きます。
このデッキをお勧めする一番の理由は先程紹介した今週のメタゲームのデッキとの相性が非常に良いからです。
先週行われたGPトリノとGPワシントンで勝利を収めた奔流の機械巨人コントロールと機体ビートダウンのどちらにも序盤の初速の差で有利なゲーム展開に持っていくことが出来、これらのデッキは失ったライフを取り戻す手段も少なければ盤面をひっくり返す手段も少ないため押し切れるゲーム展開がほとんどです。 またサイドボード後も奔流の機械巨人コントロールの 《ゲトの裏切り者、カリタス》 や 《才気ある霊基体》 には 《反逆の先導者、チャンドラ》 と 《栄光をもたらすもの》 で対策することが出来、機体ビートダウンの 《霊気圏の収集艇》 には 《削剥》 と 《過酷な指導者》 を入れることで対策することが出来、どのサイドプランも赤単アグロのサイドプランを崩すことが難しいためこれらのデッキに対してはメインサイド共に有利が付きます。
そして赤単アグロに追い風となってきているのがゾンビビートダウンの衰退です。というのはティムールエナジーや奔流の機械巨人コントロールといった中速~低速のデッキが流行ってきたため、全体除去呪文や除去を内蔵した 《栄光をもたらすもの》 、恒久的に盤面に現れる 《スカラベの神》 といったゾンビビートダウンにとって悪夢のようなカードが多く採用され始めたためです。
これらのメタゲームの推移を踏まえると今週末のデッキ選択は赤単アグロに非常に追い風が吹いていると言えます。元から地力が高くメタられてもある程度好成績を残せるほどの赤単アグロは今週末は使用するに一番の狙い目だと言えるでしょう。
まとめ
今回は日本選手権で好成績を狙えるお勧めのデッキを紹介していきました。赤単アグロは『プロツアー破滅の刻』時からメタゲームの中心で活躍を続けるデッキで、メタられる立ち位置に毎回いるにも関わらず安定した成績を残しておりデッキの強さが非常に高いことを証明しています。しかし、あまりにも意識されているため使用率の高さの割には優勝や準優勝といった成績には惜しくも届かず最後の勝利を手に取ることが出来ずに敗退しています。
赤単アグロはメタられているからこそ最後の勝利を手にすることが出来ていなかったので、今週のメタゲームの推移からいけば他のデッキ達が代頭してきた隙を狙うことができ、十分に優勝を狙える立ち位置にきていると言えるでしょう。
以上、今週末のデッキはこれを使え!でした。
今後も毎週木曜日に更新となりますので、よろしくお願いします!それではまた来週の連載をお楽しみに!