今週末のデッキはこれを使え!とは?
この記事はプロツアーを目指すトーナメント指向の高いプレイヤーの方や時間があまりとれずデッキ選択に迷っている方に流行のデッキ情報や最新のアーキタイプ情報、戦略・サイドプランなどをお届けするのをメインとした情報記事になります。トーナメントに出場しているプレイヤーは一つの目標とし『プロツアーへの出場』を目指す方が多いと思います。そしてプロツアーへ参加する方法として最もオーソドックスな手段は2つあり、グランプリで13勝2敗以上による権利獲得とプロツアー地域予選で上位入賞による権利獲得が一般的です。
しかしグランプリの出場は年内でも回数が限られていてフォーマットもバラバラなため自分の得意なフォーマットとは限りません。
プロツアー出場への王道はやはりプロツアーの地域予選(以下RPTQ)へ出場しそこで勝利するものが最も早い道のりと言えるでしょう。またほぼ毎週開催されるプロツアー予備予選(以下PPTQ)はプレイヤーの腕を磨きつつプロツアー出場への道も近づくので一石二鳥です。
この記事ではRPTQへ出場するための予選であり、ほぼ毎週行われるPPTQのオススメデッキを主に紹介していくものとなります。
PPTQのフォーマットがモダンシーズンに突入ということもあり、フォーマットがモダンのPPTQの間はモダンのリストを紹介していこうと思います。それでは早速デッキリストを見ていきたいと思いますが、その前に現在のメタゲームの解説を少ししていきたいと思います。
モダンのメタゲーム
モダン環境のメタゲームは長い年月をかけて強いデッキ同士が切磋琢磨し、新しいアーキタイプなどの新勢力が急に勝ちだすということは滅多にないため、メタゲームの動きは非常に緩やかなものとなります。そしてあらゆるカードが使用できる広大なカードプールは多種多様なデッキが存在し、トップメタのデッキであっても10%以上の使用率を超えることはモダン環境で滅多に存在しません。
しかしその中でも大規模な大会などで上位に成績を安定しているアーキタイプは存在し、そのアーキタイプのほとんどが自分のやりたいことを相手に押し付けるタイプのデッキです。 死の影ビートダウン、親和、バーンといったビートダウンに全てを賭けるアーキタイプやストームや風景の変容などコンボに賭けるアーキタイプのような対戦相手の行動を受けることをしないアーキタイプが最近のモダンでは勝ち組のデッキになっています。
というのは膨大なカードプールや多種多様なデッキによって除去呪文や打消し呪文が効果的であったり全く効かなかったりと相手の行動を受ける側があまりにも多種多様な環境のせいで受けきることがほぼ不可能なためです。
多種多様なアーキタイプが存在するモダン環境ではメタゲームは読みづらく一見バラバラで方向性がないように感じますが、上位入賞しているデッキや使用率の高いデッキを見ていくと相手に自分の行動を押し付けるデッキこそが現在のメタゲームの上位にきていると言えるでしょう。
今週のメタゲーム
上記のモダンのメタゲームで説明した通りモダン環境のメタゲームは急激に変化するはないため、今週のメタゲームも先週と先々週と同じように対戦相手の妨害をしながら盤面を構築しガッツリゲームをするアブザンや土地を伸ばして一気にダメージを叩き込む風景の変容デッキが多く活躍したGPバーミンガムのデッキが多くなりそうです。 よって今週も先週と先々週に紹介したエルドラージビートダウン、バーンどちらも引き続き今週もおススメデッキとなります。更にそれに加え、今回は序盤から猛攻を仕掛けて対戦相手に押し付けが出来るデッキの中でもモダンが生まれた当初から存在し、現在もメタゲームの上位に位置する親和デッキを紹介します!
親和デッキはあらゆるデッキが存在するモダンというメタゲームの海を常に渡り続けているデッキなので使用する側・使用される側のどちらの視点でもデッキの動きを理解しておくことはとても重要です。モダンのメタゲームやサイドボードの理解を深めるためにもこのアーキタイプの知識は必要とされるので今週は親和デッキの紹介していきます。
今週末のモダンの大会ではこれを使え!!
SCG Modern IQ Centreville
[1st] 2017/08/20 |
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Joshua Smith |
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27
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クリーチャー
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17
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呪文
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16
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土地
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15
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サイドボード
デッキのメリットは圧倒的な展開力で対戦相手を初動の動きだけで実質『詰み』の状態にできることと、高い爆発力と安定力によりメインデッキ戦において非常に強い点が挙げられます。今年行われたGPラスベガスでは多くの参加人数の中でも親和デッキは特にいい成績を残しており、その安定性を裏付ける結果となっています。
このデッキをお勧めする理由はどのデッキに対してもメイン戦は万遍なく戦える点と圧倒的な爆発力とスピードで押し切る点があります。さらに 《墨蛾の生息地》 等のミシュラ土地等の土地が複数採用されており、1:1交換の応酬に非常に強く単体除去に耐性があります。
メイン戦における対戦相手の除去呪文の枚数では親和の猛攻を捌ききることはほとんど出来ません。
その上、採用されているこれらの土地はアーティファクトであり飛行を持つクリーチャーなのでシナジーとクロックの両方を兼ねており、親和デッキにとって最高峰の土地となっています。 親和のデメリットは、デッキの大部分がアーティファクトで構成されているためアーティファクト対策カードに非常に弱くサイドボード後の戦いが概ね不利である点です。またクリーチャーやアーティファクトを横に並べることでシナジーを生み出すカードが多いため、全体除去呪文に非常に弱いです。
親和はモダン環境が始まった当初から活躍し続けているデッキでグランプリなどの大きな大会でも幾度も優勝してきている王者のデッキの一つでもあります。モダン環境をやるならば対戦相手として対峙することも何度もあると思うので、デッキの動きや親和の長所や弱点の理解を深めるために親和を使用することは、この環境において大きなアドバンテージになるので使用してみることをとてもおススメします!
要注意!ライフを糧に強大なパワーを得る死の影デッキ!
Grand Prix Sao Paulo 2017
[5th] 2017/08/13 |
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Carlos Romao |
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16
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クリーチャー
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25
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呪文
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19
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土地
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15
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サイドボード
死の影ビートダウンは 《思考囲い》 や 《致命的な一押し》 といった優秀な妨害呪文を駆使しながら、抵コストで大型のクリーチャーを戦場に送り込み、相手のライフを素早く削り取るデッキです。デッキのメリットは豊富な妨害呪文による対応力と低コストで大型クリーチャーを使うことで隙を見ては一気に対戦相手のライフを削り取り早々にゲームを決着させることです。 デッキのデメリットは勝ち手段をシンプルな大型クリーチャーに頼っているため、単体除去が豊富なデッキに弱いことです。また探査能力や 《瞬唱の魔道士》 などの墓地を利用するカードが多く取られているために墓地対策カードが結構刺さってしまう点です。
死の影ビートダウンはモダン環境でもトップクラスの対応力を持ち、それでいて地力の高いビートダウンデッキでもあります。 《死の影》 を使ったライフ管理や墓地のリソース管理など自分と対戦相手のそれぞれの立場からでも非常に難しいプレイを要求されるのでしっかりと予習や対策をしておきましょう。
また 《ティムールの激闘》 を利用したコンボを採用したタイプの構築をした死の影ビートダウンもあるのでコンボを決められたりしないように注意しましょう。
まとめ
今回はモダン環境の中でも長く使われ続けている安定と爆発力を持った親和デッキを紹介していきました。新しい構築をしたリストはあまりないものの古くから使われ続けているこのデッキの爆発力と安定力は本物で、あらゆるデッキが存在するモダンというメタゲームの海を渡っていけるデッキなので使用する側・使用される側のどちらの視点でもデッキの動きを理解しておくことはとても重要です。
紹介した親和デッキは今まで紹介してきたデッキと同様に能動的に動けるデッキなので対戦相手の事故に漬け込むことや自分のブン回りで圧倒することも可能なことも良いポイントです。
以上、今週末のデッキはこれを使えでした。
今後も毎週木曜日に更新となりますので、よろしくお願いします!それではまた来週の連載をお楽しみに!