企画記事

行弘賢のプロツアー・霊気紛争レポート!

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皆さんこんにちは!Dig.cards所属プロの行弘です!

早いものでもうプロツアー・霊気紛争から1週間が経ちました。機体ビートダウンの圧勝で幕を閉じた結果とはなりましたが、先週末開催されたGPピッツバーグやMOCSでは緑黒ビートダウンが早くも勝ち組となり、メタゲームの回転の速さを感じますね。

そんな話題の緑黒ビートダウン、実は僕もプロツアー・霊気紛争で使用して、なんと9勝1敗の成績でトーナメントを終える事ができました!

ですので今回の記事では、プロツアー・霊気紛争のレポートをお届けすると共に、緑黒ビートダウンの解説もさせていただきますので、是非最後までご覧ください。

それではまずは本戦の調整過程からどうぞ!

スタンダードへの挑戦

実は前回のプロツアーカラデシュは僕個人として調整方法に疑問が残るものでした。

というのも、実力が高いメンバーが揃った中でデッキを模索したにも関わらず、最終的にデッキを決めたのは石村事『rizer』の天才的閃きによるもの、でした。

実際にrizerのデッキはプロツアー向けで、手ごたえを感じるものではありましたが、逆にrizerが閃かなかったら、恐らく何も良いデッキを選択する術が無かったのできっとヤソにお願いして優勝デッキをシェアして貰っていたと思います。

ですが、そんな人頼みなものはプロがプロツアーに臨むに際して『努力』したとは到底言えません。

そんな自分が腹立たしく、今回はフルスポイラー公開翌日からほぼ毎日デッキをチームで組んで対戦する、という調整方法を考えました。

今まではプロツアー2週間前に開催されるSCGの結果を受けて、そこからTOP8のデッキをブラッシュアップし、それらに打ち勝つコンセプトが強いデッキを見つける…という調整方法を採用していたのですが、これでは実際にプロツアーまでに良いデッキを見つけるまでの時間が短すぎるという欠点がありました。

今回はSCGの結果を見て、それは我々が4000年前に通過している!とドヤ顔で、自分たちがそこからメタゲーム上で優位なデッキを選択できる状態にするためのフルスポイラーからのスタートダッシュです。

調整チームは僕も所属するチームシリーズのチームである『武蔵』よりTeam CygamesナベとHareruya Prosヤソ、そこにkenkenbaaaa!でお馴染み北原と短期間ではありますがTeam Cygamesカクマエ君、とHareruya Pros原根君の2名を加えた6名で開始。途中からはGP千葉で権利を獲得した廣澤さんにも参加していただき、最終的なチームはヤソ、ナベ、北原、廣澤の4名に僕を加えた5名のチームになりました。

フルスポイラーが公開されてからはサイドボード込みで4~5人でデッキを組んでは毎日総当たりを繰り返し様々なデッキを試すと共に、データも蓄積させていきました。その間に禁止改定が行われ、2日間程の調整期間が無駄になったなんて事もありましたが、SCG前に有力デッキが絞られてきました。

僕らのチームが導き出した有力デッキは『緑黒ビートダウン』、『マルドゥ機体』、『4Cサヒーリ』、『グリクシスコントロール』の4つ。

特にマルドゥ機体はビートダウンの第一人者のTeam Cygames所属の覚前君が練り上げただけあって完成度が高く、非常に強力でした。

次点では緑黒ビートダウンと4Cサヒーリが地力が高く、グリクシスコントロールはメタデッキなのでSCGの結果次第、といったところでSCG第一週の結果は…。
案の定想定内のデッキがたくさん!

緑白ビートダウンは色々試しはしたものの、緑黒ビートダウンと4Cサヒーリに勝てなかったため没になったデッキだったのでこれは本戦にはいないと想定し、残りの緑黒ビートダウンと4Cサヒーリとマルドゥ機体を仮想敵とし調整を再開しました。

その結果この2位の 《光袖会の収集者》 《霊気圏の収集艇》 を採用したエネルギーに寄った構成のリストをブラッシュアップし、 《緑地帯の暴れ者》 《牙長獣の仔》 を採用しエネルギーに寄せた緑黒エネルギーが仮想敵達を薙ぎ払い高い勝率を叩き出す事に成功しました。

サイドボードプランである 《屑鉄場のたかり屋》 《耕作者の荷馬車》 による 《燻蒸》 対策も感触が良く、苦手な全体除去を兼ね揃えたコントロールへの対策も万全で、これは緑黒エネルギーに本決まりか…!と考えていた所で、SCGの第2週目の結果が。
僕らが想定していた4Cサヒーリでは無く、コントロールに寄ったジェスカイサヒーリがまさかの優勝!

このコントロール型は緑黒ビートダウンがきつい 《燻蒸》 がメインに採用されているだけで無く、コントロールへのサイドボードプランであった 《屑鉄場のたかり屋》 《耕作者の荷馬車》 に強い追放除去である 《先駆ける者、ナヒリ》 《隔離の場》 をキッチリと採用してあり、相性が悪い事が判明しました。 しかしながら別にメインは 《燻蒸》 さえなければ意外と勝てる事も多く、絶望的では無かった為サイドプランの練り直しさえできれば緑黒エネルギーを諦める理由は無い…と頭を悩ませていた中、調整チームのHareruya Prosの八十岡事ヤソが 《造命師の動物記》 強いんじゃない?という事で試してみたらこれがコントロールにクリティカル!

サイドボード後は急に黒緑コントロールに変貌するギアチェンジ戦略に相手は対応できまい、という事で無事デッキが決まったのは出発前日の火曜日。

調整時間で言えば万全を期して挑んだにも関わらずギリギリまでデッキの構成に頭を悩ませた事を考えると、スタートダッシュをしていなかったら…と考えるとゾッとしますね。

このSCG第一週1位の緑黒昂揚型にだけはメインの相性が悪いものの、サイドボード後は 《造命師の動物記》 サイドボードで5分以上に改善され、昂揚型は4Cサヒーリに勝てないので数も少ないだろうという事である程度割り切りました。

苦手をある程度克服し、単純に地力が高い緑黒エネルギーを選択したのは僕とナベと北原の3名。トップメタながらコントロールとしての地力が高いジェスカイコントロールを選択したのはヤソと廣澤さんと、バランスを取ったデッキ選択となりました。

ヤソ曰く最強の矛と盾が出来た、との感想も貰え、後は矛(黒緑エネルギー)と盾(ジェスカイサヒーリ)どちらがメタゲーム上で良いフィールドになるか、というだけの状態に出来たのはある程度満足いく調整が出来たと確信し、いざダブリンの地へと出発しました。

本戦レポート

ドラフトラウンド


1stドラフト2-1
プロツアーの大事な出だしである初日のドラフトは黒白t青で2-1。

初手 《策謀家テゼレット》 から入ったにもかかわらず青が流れてこず、白が流れて来たため白黒t青の形に。

線が細く、あんまり褒められたデッキではありませんがなんとか2-1する事ができました。なお 《策謀家テゼレット》 は2回場に出し、2回とも電池を大量生産してご臨終しました。単純にアーティファクトの数が足りてませんでしたね。

2ndドラフト1-2
1パック目は黒単ピックしてたのですが、返しまったく何も流れてこなかったため、 《改革派の車輪職人》 から舵を取り、赤白へ。3パック目で 《燻蒸》 と出会え色変えの代償でカードが足りないもののなんとかデッキの形に。

初戦をレアまみれの青赤に落とした後強力な赤緑をくみ上げたチーム武蔵のチームメイトでありGP京都準優勝kenkenbaaaa!のチームメイトでもあるTeam Cygamesヤマケンにバッサリ切られあっさり0-2。最後は僕と同じく微妙な仕上がりの赤緑に勝ってなんとか1-2。

正直この環境のリミテッドはいつもお世話になっているCygames合宿(本当にいつもありがとうございます!)で勝率50%という体たらくで、いまいち勝ち方が分からないという状態でした。次回はドラフトに対してもう少し力を入れないとまずいと感じました。

ドラフトの戦略に関してはいつもお馴染みの公式記事でおさらいいたしますので、そちらの更新をお待ちいただけますと幸いです。

スタンダードラウンド


実際に使用したのはこちらのリスト。

・初日 5-0
4Cコントロール  勝
マルドゥ機体  勝
緑黒エネルギー 勝
マルドゥ機体  勝
マルドゥ機体  勝

・2日目 4-1
マルドゥ機体 勝
黒緑昂揚   勝
マルドゥ機体 勝
マルドゥ機体 負
緑白トークン 勝

まさかのマルドゥ機体ばかり当たり矛が上手く突き刺さり9-1の好成績を残す事ができました!実はマルドゥ機体はSCGの第2週目で上位に姿が無く若干調整不足ではあったのですが、大会前夜にナベが『機体だけおさらいしておこう』と言ってくれたおかげで最後にマルドゥ機体へのガードを少し上げた事も勝因だと思います。

負けた一戦もこちらが1マリガンからの土地2ストップを2回繰り返してしまった…という残念なゲームでしたので、明確に相性が良いと感じたマッチアップでした。事故で負けたマッチが勝てばTOP8が確定するマッチだったので悔しくはあるものの、最終戦を勝ってプロポイント15点と5000ドルを獲得する事ができました!

実際に緑黒エネルギーは使用感が非常に良く、今後もスタンダードでよく見かけるデッキだと思います。ですがサイドボードプランが意外と難しいので今回使用した僕のリストのサイドボードプランだけ紹介させていただきます。

サイドボードプラン

・マルドゥ機体
out
1 《新緑の機械巨人》
4 《光袖会の収集者》
in
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《致命的な一押し》
1 《人工物への興味》
2 《殺害》 ・緑黒昂揚(エネルギー)
out
昂揚
4 《光袖会の収集者》
4 《緑地帯の暴れ者》
1 《霊気圏の収集艇》
1 《牙長獣の仔》
1 《ピーマの改革派、リシュカー》
エネルギー
4 《光袖会の収集者》
4 《緑地帯の暴れ者》
1 《ピーマの改革派、リシュカー》
in
昂揚
1 《生命の力、ニッサ》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
2 《殺害》
1 《致命的な一押し》
3 《造命師の動物記》
1 《害悪の機械巨人》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
エネルギー
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
2 《殺害》
1 《致命的な一押し》
2 《造命師の動物記》
1 《害悪の機械巨人》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 ・ジェスカイサヒーリ
out
4 《ピーマの改革派、リシュカー》
2 《新緑の機械巨人》
1 《歩行バリスタ》
2 《霊気圏の収集艇》
3 《致命的な一押し》
in
3 《精神背信》
3 《造命師の動物記》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
1 《生命の力、ニッサ》
2 《殺害》
1 《人工物への興味》

おおまかなプランとしては、コントロールには 《造命師の動物記》 《精神背信》 と各種PWと 《殺害》 《電招の塔》 《隔離の場》 《奔流の機械巨人》 に触れる 《人工物への興味》 を。

ミッドレンジには同じプランで後半弱い 《精神背信》 と対象が少ない 《人工物への興味》 以外を。

ビートダウンにはライフルーズが厳しい 《光袖会の収集者》 4枚と 《領事の旗艦、スカイソブリン》 の入れ替えで 《新緑の機械巨人》 1枚を抜く、といった感じです。

今後はメタゲームも変わり、サイドボードにも変化があるとは思いますが、是非参考にしていただけたらと思います。

終わりに

今回のプロツアーはチームシリーズでも所属チーム『武蔵』を1位に引き上げる事に貢献でき、非常に満足行く結果でプロツアーを終える事ができました。大会前に所信表明していた自分が一番プロポイントを稼いでチームを引っ張る、という宣言も有言実行でき一安心です。

次回もこの結果に慢心せずに、またTOP8に絡めるよう頑張ってまいりますので応援していただけますと幸いです!

次回は1ヶ月後のGP静岡のレポートでお会いできると思いますので、また次の記事でお会いしましょう!それでは!
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