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行弘賢のWMCQ大阪予選調整記&参加レポート!

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皆さんこんにちは!Dig.cards所属プロの行弘賢です!今回はWMCQ大阪予選に参加してきたので、その調整記と本戦のレポートをお送りさせていただきます!

今回もいつもと同じで・・・・・・負、ん!?

そこそこ勝ちました!

久しぶりにプレミアイベントでTOP8に入る事ができました。前回のTOP8はいつだったか分からないレベルなので、素直に嬉しいですね。結果は優勝こそ逃しましたが、手ごたえは感じました。この勢いのまま、東京予選、名古屋予選のどちらか抜けたいところです。

では、ついでといってはなんですが、TOP8の方々の個人的に気になった特徴的なデッキをみていきましょう。

・WMCQ大阪予選TOP8の特徴的なデッキ


最近HareruyaProsに加入+殿堂入りで話題に事かかないヤソ(八十岡将太)が今回選択したデッキはハサミブルーでした。このデッキアーキタイプ分類はハサミブルーとなっていますが、実際はブルーの要素がハサミこと 《アーティファクトの魂込め》 だけしか青のカードを採用していません。
Whirler Rogue / つむじ風のならず者 Pia and Kiran Nalaar / ピア・ナラーとキラン・ナラー
実はどちらを採用するかは良い勝負!?
《つむじ風のならず者》 じゃなくて大丈夫なのか、という疑問があるかもしれませんがヤソ曰く、 《ダークスティールの城塞》 を採用する都合上2色で青青のダブルシンボルを要求するのが厳しく、 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 と比べても、盤面に残ったときは 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 の方が強い、と言っていました。

サイドには 《極上の炎技》 《乱撃斬》 を4枚ずつ採用していて、サイド後はバーン戦略にして、対戦相手のクリーチャー除去からの長期戦のプランを打ち崩す事ができます。進化し続けるハサミブルー、WMCQ名古屋予選ではどのような形が活躍するのか、期待ですね!

21歳という若さでありながら、堂々とTOP8に入った山田拓也さんの選択したデッキは緑白鱗でした。このデッキは僕がプロツアーマジック・オリジンで使用し、一気に知名度があがったデッキですが、今回山田さんが使用したのはかなり構成が違います。
Honored Hierarch / 名誉ある教主 Elvish Mystic / エルフの神秘家
同じ1マナ域ですが、役割は似てるようで全然違います

大きな違いとして、 《名誉ある教主》 が不採用で、 《エルフの神秘家》 が採用してあり、+1/+1カウンターの依存度を下げ、 《巨森の予見者、ニッサ》 《進化の飛躍》 を2枚採用して長期戦でも戦えるようになっています。

僕のオールインに特化した形では無く、どちらかといえばキブラーがプロツアーで使用した緑白ビートダウンに鱗パッケージを採用したような、お互いの良い所取りしたようなリストですね。21歳と若いながら環境に合わせた老獪なチューンで、素晴らしいと感じました。今後も山田さんの活躍に期待ですね!

では、ここからは調整記になります。今回僕が使用したアブザン大変異ことアブザンレヴォリューション、どうやって完成したのか見ていきましょう!

・調整記

プロツアー後の最初の調整はGP香港で行われたSSS予選のスタンダート部門でした。プロツアーで使った緑白鱗をメイン、サイド共に少しずつ調整し参加したところ、特段プロツアーと感触もそこまで変わらず、相変わらず除去多めのアブザンコントロールや、エスパードラゴン等の構成のデッキに弱く、プロツアー後の赤系が多いメタだと、アブザン系が増えると予想できたので、WMCQ大阪予選では緑白鱗をそのまま使うのは難しいと感じました。

では、何を使えばいいのかと考えるために一回環境を整理し、デッキ選択の際に重要視したいポイントを2つに絞りました。

・プロツアーで大活躍した赤系のデッキが増えるのは間違いない。
・赤系の対策をしたミッドレンジ系のデッキを選択するプレイヤーも増える。
Siege Rhino / 包囲サイ

この2つから僕が導き出した結論は、 《包囲サイ》 を使う、です。

赤系にはライフゲイン付の高速にライフを削るクロックなので効果は絶大。ミッドレンジ全般に対してもその圧倒的コストパフォーマンスは信頼でき、何枚でも引きたいカードです。不利なマッチアップも相性差を覆すことのできる、環境末期にふさわしいパワーカードです。

という訳で 《包囲サイ》 、つまりアブザンを軸にしたデッキを使う事を決め、デッキを作る事に決めました。

とりあえずデッキを作ってみようと、 《硬化した鱗》 《マナ喰らいのハイドラ》 《搭載歩行機械》 の鱗を使用したパッケージじたいは強力なので、これを軸に 《包囲サイ》 を使用したアブザンを作れないか・・・と考えてみたところ、 《悪魔の契約》 《悲劇的な傲慢》 も相性が良いんじゃないか!?
Demonic Pact / 悪魔の契約 Tragic Arrogance / 悲劇的な傲慢
硬化した鱗があると、悪魔の契約が生贄にできる事に気が付かない方が良かった!
と余計な事に気が付き、鱗アブザンwith 《悪魔の契約》 + 《悲劇的な傲慢》 という魔物を作り出してしまいました。

勿論貴重な調整時間を5日間程無駄にし、最終的には 《悲劇的な傲慢》 が抜け、 《羊毛鬣のライオン》 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 を採用した鱗アブザンアグロwith 《悪魔の契約》 という評価点で言えば60点くらいで、実戦で使いたいかと言われれば「うーん・・・。」といわざるをえないデッキができあがりました。

《包囲サイ》 を使うというコンセプトじたいは間違っていないはずですが、どうも一捻りしたくなるのが僕の悪い癖です。とはいえ、環境的に強いシナジーが入ったデッキは見つけ得ですし、その後も 《包囲サイ》 を使うというアプローチは変えずに調整していくことにしました。

次に目をつけたのは 《異端の癒し手、リリアナ》 《進化の飛躍》 のシナジーです。 《異端の癒し手、リリアナ》 じたいのカードパワーは信頼できるものがありますし、表面は今のメタだと赤系にも強く環境も追い風です。

《進化の飛躍》 《搭載歩行機械》 とのコンボで凄まじいアドバンテージを稼ぎ出すので、これも見過ごせないシナジーです。最終的にはミラーでも強い 《風番いのロック》 でフィニッシュと、ミラーにも強い構成にでき、満足していると・・・。

GPロンドンで 《搭載歩行機械》 入りアブザンアグロが優勝してしまい、 《異端の癒し手、リリアナ》 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 のせいで反転しなく、こちらの 《搭載歩行機械》 だけ一方的に追放されてしまうという、相性が最悪なデッキがここにきてTir1入りしてしまい頭を抱え込んでしまいます。

気が付けばWMCQ大阪予選前日まできてしまい、なかば諦めながらMOで調整を続けていると、ふとある事に気が付きました。そういえばこのデッキ 《棲み家の防御者》 《サテュロスの道探し》 も入ってるのに 《死霧の猛禽》 試してないな!?

早速 《異端の癒し手、リリアナ》 《巨森の予見者、ニッサ》 をクビにして 《死霧の猛禽》 を採用してみた所大当たり!

もともと苦手だった青黒系のコントロールやジェスカイウィンズにも 《異端の癒し手、リリアナ》 《巨森の予見者、ニッサ》 と比較して殴り値が高く、盤面が強い 《死霧の猛禽》 のおかげで相性が改善されただけでなく、盤面をリセットしても損しなくなったので 《衰滅》 も採用でき、アブザンアグロも乗り越える事ができました。

実質不利なデッキがほとんど無い、かなり丸い構成の『アブザン大変異』がそこには完成していました。いや、これは 《進化の飛躍》 にちなんで、アブザンレヴォリューションだ!(エヴォリューションだと気がついた時には手遅れ)

という訳で完成したデッキがこれです。 

・How to アブザンレヴォリューション


見ていただけたら分かると思うのですが、普通のアブザン大変異とは構成が大きく違っています。 《進化の飛躍》 だけでなく、 《黄金牙、タシグル》 を多めに採用していたり、除去を散らしたりしています。
Tasigur, the Golden Fang / 黄金牙、タシグル
マナカーブの王様と呼んでいます
《黄金牙、タシグル》 が2枚と多めなのは、 《進化の飛躍》 でマナを使う都合上2アクションできる軽いカードが中盤以降欲しくなるからです。

除去が各種2枚ずつ散っているのは 《棲み家の防御者》 が4枚なので、回収するカードを状況に応じて選べるからです。
Abzan Charm / アブザンの魔除け
強力なカードですが、メタ次第で不採用もありえる
《アブザンの魔除け》 は赤系にほとんど腐ってしまうので、今回は採用しませんでした。

サイドに関しては、盤面をコツコツ作るデッキなので、プレインズウォーカー、主に 《太陽の勇者、エルズペス》 に弱いという弱点があるので、サイドに 《英雄の破滅》 を2枚採用してます。
これは緑ビートダウン、赤緑信心や青白英雄等以外にも、青黒系の 《悪夢の織り手、アショク》 《龍王シルムガル》 に対して有効なので、意外と幅広くサイドインできます。

《悲劇的な傲慢》 は緑白系に対してです。アブザン同型で入れると、こちらの盤面の方が強かったり、残る相手のクリーチャーが強かったりと、クリティカルな効果はなかなか期待できません。

その他は専用サイドなものが多いので、使用用途は分かりやすいかと思います。

アブザン大変異じたい盤面を作るのが得意なので、盤面さえ作れば勝てるような赤系や除去がそこまで入っていない青白英雄や緑白系のデッキ相手には 《進化の飛躍》 はサイドアウトしてしまってもかまいません。

とにかくデッキが一度動き出すと息切れをほとんどしないので、長期戦にかなり強い仕上がりになっています。赤系に対しても2マナ域が多く、盤面が強いので十分戦えます。なんといっても 《包囲サイ》 もありますし。

という訳でWMCQ大阪予選前日ながら、会心のデッキができ、いざ京都へ!(大阪予選とありますが、会場は京都です)

・WMCQ大阪予選本戦

和歌山に住んでいた頃は京都は車で行けた距離でしたが、今では新幹線を使わなくては・・・とはいえ東京予選もあるので、実質は変わりませんね。去年はゴールドレベルだってので1Byeがありましたが、今年はシルバーレベルなのでBye無しです。

参加者319人、9回戦でTOP8のラインは恐らく7-1-1のオポーネントになるはずなので、厳しい戦いが予想されますが、果たして結果は・・・、

スゥルタイコントロール ○○
ジェスカイウィンズ ○○
赤単バーン ○○
ジェスカイウィンズ(玉田さん) ××
緑白エンチャントレス ×○○
赤単バーン ○×○
赤単バーン ○×○
アブザンアグロ ○×○
ハサミブルー ○

3連勝までは勢い良かったのですが、4回戦目の玉田さんのジェスカイウィンズにマナフラ&マナスクリューでボコボコにやられて早くも崖に。

その後は全部2-1と厳しい戦いが続きますが、なんとか4連勝して、最終戦の方が明日仕事でTOP8に残っても参加できないという事で勝ちを譲っていただく幸運もあり、なんとかTOP8に入る事ができました。

当たった対戦相手のデッキもMOで調整した時に当たったマッチアップばかりで、想定したメタゲームに近いものでした。赤単バーンに3回も当たったので、赤系に強いデッキ選択をしたのは正解でしたね。

結果スイス3位抜けと、先手もそこそこ取れそうな順位で、明日のTOP8にも期待が持てる・・・と思いきや、立ちふさがるのは6位の殿堂でゴールドプロで魔王の異名を持つ三原さん!

三原さんのデッキはアブザンに滅法強い5Cラリー。相性は最悪です。ですが、僕は先手なので、なんとかその利を生かせられたら勝ち筋はある・・・!

1年以上TOP8に入ってなかった僕がやっと掴んだチャンス、絶対に活かしたい!

絶対に優勝する!と覚悟を決めて望んだTOP8ラウンドは・・・!

準々決勝:○○ 5Cラリー 三原さん(カバレージ

かーらーの!

準決勝:×× ジェスカイウィンズ 玉田さん(カバレージ

かー!これだからMTGはやめられないぜー!上手くいかない、それもまたMTGを止められない要素ですね!

とまぁ、そんな上手いこといかずに、2没でした。

三原さん戦はこちらの 《包囲サイ》 ビートが上手くはまりなんとか勝ち。

玉田さん戦はどちらも3マナでストップし、手札に重いカードが溜まって負けと、悲しい結末でしたがこれもMTG!とはいえそれだけで負けた訳ではありません。
玉田さんのジェスカイウィンズは普通のジェスカイウィンズでは無かったのです!

普通のリストと大きく違うのは、 《搭載歩行機械》 を採用していることと、 《ゴブリンの熟練扇動者》 が不採用な事です。盤面が弱いジェスカイウィンズはクリーチャー戦に弱いのですが、 《搭載歩行機械》 が地上を止め、時間を稼いだ後はクロックになるため、ダメージレースにかなり強い構成です。 《魂火の大導師》 《ジェスカイの魔除け》 が4枚ずつなのも、ダメージレースを強く意識した構成と見てとれますね。

《オジュタイの命令》 を採用せず、サイドも含めカウンターを少なくし、アグレッシブにライフを狙い裏目を少なくした、素晴らしい構成だと感じました。2回負けた僕が言うんですから、間違いありません!

素晴らしい構築に素晴らしいドローが噛み合えば優勝できる。そんなお手本を見せていただいた気がします。

ともあれ玉田さん日本代表おめでとうございます!本戦も頑張ってください!

僕のアブザンレヴォリューションは、今後のメタ次第とはいえ、実戦レベルで十分戦えるという手ごたえを感じたので、今後も使う可能性はあります。改善点としては、ジェスカイウィンズが増えそうなので、 《衰滅》 を1枚メインに追加したいですね。メタ次第で形は変わると思いますので、参考にしていただけたらと思います!

・最後に

といったところで、今回の記事は終わりです。

WMCQ大阪予選はDig.cardsのカバレージから読む事ができますので、こちらもよろしくお願いいたします。

再開したニコニコ生放送の方では、東京予選に向けてモダンの練習過程をみることができますので、放送の方見ていただけたら幸いです。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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