企画記事

行弘賢のプロツアー・ミルウォーキー参戦レポート!

C0a0ebda b762 4a52 936f bb2f9d4c1262
皆さんお久しぶりです!Dig.cards所属プロの行弘です!

今回はプロツアー・ミルウォーキーに参加してきましたので、そのレポートをお送りさせていただきます!

いつも通り、まずは調整記から入らせていただきまして、その後本戦のレポート&反省です。宜しければ最後までお付き合いください!

1.プロツアー・ミルウォーキー調整期

今回もフルスポイラーが出てすぐに、井川君、やまけん、ナベ、三原さん等そうそうたる面子でプロキシーを用いて練習をし始めました。

前回のプロツアーは 《ヴリンの神童、ジェイス》 《オジュタイの命令》 や、 《硬化した鱗》 《搭載歩行機械》 のような、強烈なシナジーにすぐ気が付いたのですが、今回はローテーションでテーロスブロックが落ちた影響もあり、ブロック構築(一つのブロックだけ使って構築するフォーマット)に近いスタンダード環境ということで、デッキ作りが難航しました。

特にアブザン等の氏族デッキは占術ランドが落ちた影響でマナベースが壊滅的になってしまっていて、 《コイロスの洞窟》 のようなダメージランドに頼る事になりライフが痛すぎるので3色だけで組む氏族デッキは厳しいだろう、というのがファーストインプレッションでした。

という訳で2色デッキや、氏族以外の3色デッキを中心にデッキ構築をしていくと、2つの頭一つ抜けているデッキができてきました。

1つは赤緑上陸です。
Snapping Gnarlid / 噛み付きナーリッド
2マナ4/4の凄い奴!
《強大化》 《ティムールの激闘》 のコンボの破壊力は凄まじく、上陸デッキは僕たちの持ち寄った大半のデッキを薙ぎ払いました。バトルランドが増えたのでフェッチから赤緑土地を持ってこれるようになり以前のアタルカレッドにくらべ安定して2色出るようになったのも非常に大きな強化点ですね。

もう1つは緑t赤エルドラージランプです。
Ulamog, the Ceaseless Hunger / 絶え間ない飢餓、ウラモグ
フィニッシャーとしての格の高さは歴代最高峰
マナ加速から 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 を出すだけのデッキなのですが、それが本当に強い事!ミッドレンジ以上の中盤戦以降を見越したデッキでは、 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 の圧倒的カードパワーに踏みつぶされてしまうので、ミッドレンジやコントロールキラーとしての性能は高く、序盤はもろいのでビートに弱く、ミッドレンジ以上には強いという分かりやすい立ち位置のデッキでした。

とりあえずプロツアー前に2回あるSCGの結果まではこの2つを中心に調整を進めていたのですが、1回目のSCGでなんと赤緑上陸が優勝してしまいました!

候補のデッキが優勝してしまうのは全然喜ばしい事では無く、本番のプロツアーではマークがきつくなるのは間違いありません。この時点で赤緑上陸は調整グループのほとんどの人がプロツアーでは使わない、仮想敵なポジションに置く調整を始めました。同時に赤緑上陸が本戦でいるなら、緑t赤エルドラージランプも厳しい立ち位置になるので、候補から外れていきました。

ただ僕はというと、他のジェスカイブラックだったり、アブザンアグロだったり、エスパーコントロールのような皆が調整しているデッキがどうしても強く思えなく、コンセプトは強烈でデッキパワーも現状一番高そうな赤緑上陸の先を探す事にしました。
Hordeling Outburst / 軍族童の突発 Atarka's Command / アタルカの命令
トークン戦略を突き詰めてみる
赤緑上陸の弱点は単体除去で捌かれてしまう事にあると感じたので、 《軍族童の突発》 《飛行機械技師》 を入れた、 《アタルカの命令》 とのシナジーを強めて上陸クリーチャーを抜いた赤緑上陸ではない、アタルカレッド型を作ってみるとこれがなかなか好印象。このままプロツアー前週のBIGMAGICOPEN(以下BMO)に参加してみると…2日間通して最終成績9勝5敗となんとも微妙な成績に落ち着きました。

敗因は同型のマナフラッドや、緑白系とのゲームで 《ドロモカの命令》 で蓋をされた時に勝ち筋がかなり薄くなる事でした。どのデッキにも入っている 《搭載歩行機械》 もきつく、環境的にはやはり向かい風にあると感じました。

とはいえもうプロツアーまで1週間を切ってしまったので、デッキを選ばなくてはいけません。そこで僕が選んだのは…あえてのオリジナルデッキでした。

このBMOで分かったことは、アブザンアグロや白日コントロール、ジェスカイブラック等のミッドレンジのデッキが活躍する環境という事です。なおかつ赤系のデッキも一定数いるので、ミッドレンジと赤系に強いデッキ作れたら環境に合ったデッキであると言えます。
Planar Outburst / 次元の激高
全体除去が強い?
そこで僕が目を付けたのは、 《次元の激高》 です。盤面を作りあげるデッキが多く見受けられたので、単純に全体除去を使うコントロールは強いのではないかと思いました。コントロールじたいはBMOでは活躍できていませんでしたが、 《シルムガルの嘲笑》 のような、後引きで盤面に触れない裏目が多そうなカウンターが弱かったのではないかと考え、思い切ってカウンターを排除し作り上げたデッキがこちら。

《面晶体の記録庫》 でミッドレンジ以上にはマナ差を付け、覚醒のカードで脅威を対処しつつ、こちらもフィニッシャーを作りプレッシャーをかけていく構成です。 《見えざるものの熟達》 《面晶体の記録庫》 がある状態ならば複数起動もでき、他にも 《搭載歩行機械》 《隔離の場》 等、マナの使い道は多く、このデッキの 《面晶体の記録庫》 はマスターピースであると言えます。

赤単にはメインこそ厳しいものの、サイド後は 《アラシンの僧侶》 等対策カードを厚く取っているので5分以上で、トップメタであろうアブザンアグロジェスカイブラックには有利と、プロツアーの猛者が使ってくるであろう仮想敵には勝てる構成に仕上がり、自信を持ってプロツアーへ参加しました。

2.プロツアー本戦

いざミルウォーキーに到着してみると、寒い寒い!聞いてないよー!と嘆いていたら、同部屋のやまけんからは「そら寒いよ。皆ツイッターで言うてたよ。」とつっこまれ返す言葉も無く、上着を同じく同部屋のGPシンガポールで優勝した人見さんからお借りするという情けない立ち回りをしてしまいました。皆さんもプロツアー等で海外行くときは気候をちゃんと調べていきましょうね!

そんなこんなで始まった本戦。アブザンコントロールを使う予定だった同部屋のやまけん、人見さん、同じ調整グループだったナベの3人はミルウォーキーに来てからデッキが不安だという事で僕のデッキに乗り換え、4人ともほぼ同じデッキで参加しました。

まずはドラフト3回戦。今回僕が練習段階から持ち込んだ戦略は「基本的には強い色である青白黒の3色を中心にピックしつつ、1パック目の4手目以降で 《噛み付きナーリッド》 《林の喧騒者》 のどちらかが流れてきたら赤緑上陸へ移行する」というものでした。

赤緑上陸はアーキタイプとしては、地上がトークンや壁で止まりやすいBFZドラフト環境の中であまり強いアーキタイプとはいえませんが、参入の仕方が一番分かりやすいのが特徴です。上記した2種の上陸クリーチャー以外からは参入しにくいので、これが流れてきたら参入のチャンスで、上家は上陸はやってない可能性が高いです。
Grove Rumbler / 林の喧騒者
上陸はアーキタイプとしては強く無いがシグナルが分かりやすい
ドラフトの方は練習通り、1パック目の4手目の 《林の喧騒者》 から赤緑上陸へ一直線。2パック目で 《面晶体の掘削者、ザダ》 をピックできた事もあり、ジャイグロ系のコンバットトリックのカードの点数を厚めにピックし、最終的には 《噛み付きナーリッド》 こそ1枚なものの、 《マキンディの滑り駆け》 3枚、 《林の喧騒者》 3枚で 《とどろく雷鳴》 もあるなかなか良い上陸ができあがりました。

結果はこちらドン!

赤緑トークン ○○
黒緑トークン ○○
青白飛行   ○××

最後は殿堂のパトリック・チャピンの完成度が段違いの青白にボコボコにされてしまいました。1本目は 《面晶体の掘削者、ザダ》 《大地の武装》 のスーパーコンボ決めて勝ったのですが、後が続きませんでしたね…。

まぁドラフトはいつもの2-1という事で、ここからは自信のあるスタンダード。初日2敗以上、つまりスタンダードは4-1以上の成績を目指していざゆかん!

アタルカレッド    ○○
緑白大変異      ××
エルドラージランプ  ×○×
緑白大変異      ○×○
アタルカレッド    ×○×

2-3。兄さぁああん!

会場のメタゲームは赤緑上陸アタルカレッドが3割近くで最多数、ジェスカイブラックが2割くらいと、予想通りのメタゲームでフィールドは悪く無いはずなのですが、一番相性が良いジェスカイブラックとは初日は当たれず、何より僕を殺しに来たような序盤を無視した緑単エルドラージランプに負けで、初日の当たりはあまり良いものではありませんでした。

ドラフトとの総合成績は4-4なので2日目には行けますが、TOP8や次のプロツアーの権利が貰える5敗を目指すには、少し厳しい初日となってしまいました。

プロツアー本戦2日目

初日の成績から、この2ndドラフトはほぼ全勝縛りと言えます。4手目から赤緑上陸決め打ちなんてなまぬるい!初手 《噛み付きナーリッド》 取ってやる!と意気込んで乗り込んでできたデッキは…!
Gideon, Ally of Zendikar / ゼンディカーの同盟者、ギデオン
ステーキは美味いのが当たり前のように、レアは強い。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 《フェリダーの君主》 《血統の解体者》 等レアがゴリゴリに入った白黒t緑のデッキがそこに!何故こうなった!?

上陸のクリーチャーは欠片も見る事無く、 《骨の粉砕》 ぐらいしかとるものが無いパックが連続きたのでとりつつトークン系目指すかなーとか考えていたらトークンカードもほとんど流れてこず、仕方なく一周してきた 《ギデオンの叱責》 から白やればいいんでしょ!となかばやけくそで白に参入して白黒になりました。 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 は3パック目3手目でえらいおいしかったので良しとしましょう。

結果はこう!

白黒緑同盟者 ×○○
赤黒欠色   ○○
青緑トークン ×○○

3戦目は殿堂のオリバー・ルーエルのトークンカードがゴリゴリに入った、フィニッシャーが 《荒廃の双子》 という、かなり綺麗に組まれたデッキ。2本目、3本目は 《荒廃の双子》 を出されてピンチに陥るものの、 《取り囲む地割れ》 で一体処理しつつ、もう一体をチャンプしながらダメージレースをし、なんとか勝利!

実にプロツアー神々の軍勢以来のドラフト3-0する事ができ、これは流れあるで!と勢いに乗って臨んだスタンダードは…!

アタルカレッド ○○
緑白大変異   ×○×
アタルカレッド ○○
緑白大変異   ○○
緑黒t赤ハスク ××

5戦目は殿堂のガブリエル・ナシフ。相性が若干悪いハスク系とはいえ、的確なタイミングでこちらの想像できる最悪なカードをトップされ、なすすべなく負けてしまいました。これで去年からバブル全負け、勝負弱すぎるやろー!

というかアタルカレッド4回、緑白大変異4回って当たり寄りすぎー!ジェスカイブラックどこいってーん!

とか愚痴りたい要素はかなりあるのですが、でてしまった結果は変えようがありません。

リミテッドの成績が5-1と文句無かった反面、スタンダードはサイドボードの作り込みが足りませんでした。デッキじたいの調整期間が短く、更に一緒に使うと決めた友人達との練習期間も実質1日程度と、細部を詰めれていなかったのは良く無かったです。次回からは少なくとも1週間前にはデッキを選択し、その後は複数人でそのデッキをしっかり詰める作業をした方が、前日までベストデッキを探すよりは効率が良いと感じました。

優勝した瀧村君のアブザンアグロのリストは氏族デッキながら、マナベースをフェッチランドを駆使してタップインを少なく、なおかつ安定してプレイできるようにしており、最初に僕が挫折した氏族デッキを上手くまとめていて納得の優勝といえますね、本当におめでとうございます!

今回はプロプレイヤークラブシルバーレベルの権利を行使しての参加だったので、今回5敗以上の成績を残せなかったのでこれで遂に6年以上連続で出場していたプロツアー参加の権利が途絶えてしまいました。ただ、次のプロツアーまでにチャンスは3回、チームリミテッドのGP北京、モダンのRPTQ、スタンダードGPの神戸と巻き返すチャンスはまだあります。

うちチームリミテッドのGP北京、モダンのRPTQは終わってしまっていて、結果も知っている方もいるとは思いますが、結果はあえてまた次回のレポート記事で書かせていただきます!

という訳で、今回のレポート記事はここまで!

果たして行弘は今後もプロツアーに参加できるのか!次回のレポート記事をお楽しみに!ではでは~!
 
連載コラム

ライター
ライターコラム

Page Top