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アーキタイプ小通信番外編:石村信太朗のプロツアー『ゲートウォッチの誓い』レポート

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皆さん、こんにちは!

二月中旬、冬も終盤戦でこの寒さともあと一我慢でお別れですが、お元気に過ごされていますか。

今回のアーキタイプ小通信は番外編! この場を借りて僕のプロツアー『ゲートウォッチの誓い』参戦レポートをお送りしたいと思います。

先に結果から報告させていただくと、モダンラウンド5勝5敗、ドラフトラウンド3勝3敗、合わせて8勝8敗でフィニッシュと平凡の極みのような戦績でした。
そういうわけでどのようにして勝ったかではなく、どう挑み散ったかといった話になりますが楽しんでいただけると幸いです。
記事の最後でいつも通りにアーキタイプ記事の更新情報をお伝えしていますので、いち早くそちらをご覧になりたい方はこちらからどうぞ

では早速始めていきたいと思います。
まずはドラフト編からです、どうぞ!

【ドラフト編その1~トカゲ作戦~】


今回から新セットを2パック使用、旧セットを1パック使用という形式に変更されたこともあり、『ゲートウォッチの誓い』加入後のドラフト環境は、慣れ親しんだ『戦乱のゼンディカー』のみのドラフト環境とは大きく姿を変えてしまいました。

なんせ旧環境では押しも押されぬ最強色だった青が、新環境では緑と最弱争いをするどべ色になってるくらいの大変動。
新能力についても適当に使っても強い「支援」はともかく、「無色マナ」「盟友」「怒涛」はしっかりカードを集めなければチグハグなデッキになってしまうため、ピックの難易度も上昇しています。

僕自身は幸いなことにTeam Cygamesさんの合宿に混ぜていただけたので質、量ともに十分な練習を確保でき、直前のMOの練習と合わせて環境理解は満足いくレベルにまで達することができました。
場を提供してくださったCygamesの皆さんと幹事をしてくださった中村夫妻には足を向けて眠れません。ありがとうございました!

話をドラフト環境に戻して環境をざっくり語りますと、この環境の強アーキタイプは「白」「黒」「赤」の強カラーの三色のどれか一色を固め取りして、レアや強力アンコモンをピックで来た色を二色目に据えるいわゆる白X、黒X、赤X戦略です。

Ondu War Cleric / オンドゥの戦僧侶 Oblivion Strike / 忘却の一撃 Zada's Commando / ザダの猛士

そしてその中でも最強色として挙げられるのが赤白です。
他の強い色同士の組み合わせと比べても、受け身になりやすい白黒や流れが悪いとチグハグになりやすい赤黒とは違い不安定な部分がなく、二マナ圏からの力強いビートダウンが安定する王者の組み合わせです。

Weapons Trainer / 武器の教練者 Goblin Freerunner / ゴブリンの自在駆け Bone Saw / 骨の鋸
さりげない装備シナジーもGOOD!

また、色単体で評価した場合の最強色は赤です。
単純な『ゲートウォッチの誓い』の強いカードの枚数で比較した場合は白や黒に劣る色ですが、どの色と組み合わせても優秀なのが強みです。
黒は黒緑が一段劣り、黒白がやや不安定であり、白は青白が一段劣り、黒白が同様に不安定。
それに対して赤は最強色赤白を筆頭に、赤黒、赤青、赤緑と成功した時に強力なデッキを構築しやすい組み合わせが揃っており、3-0を目指すにはとても有効な色です。

というわけで基本的には赤志向で赤白を目指していくことになるのですが、今回の舞台はプロツアー、多くのプレイヤーが同じ考えで臨んでくることが予想されます。

そこで、今回僕が持ち込んだ方針は『緑狙い』です。

Grazing Gladehart / 放牧の林鹿 Gladehart Cavalry / 林鹿騎兵隊 Grazing Gladehart / 放牧の林鹿

緑の最大の利点として『ゲートウォッチの誓い』のコモンに入り口が少なく、独占がしやすいことが挙げられます。
《タジュールの道守》 は見た目こそ立派ですが実態は毛が生えた 《領地のベイロス》 なので他の色のカードが優先されることが多いですし、 《網投げ蜘蛛》 《忍び寄りドローン》 から緑に参入する勇気がある人はそうそういません。
アンコモンに 《ニッサの裁き》 《洞察の具象化》 といった強力カードは存在していますが、合宿終盤やMOではこれらのカードがぐるぐる回っていたこともあり、本番でも緑が穴場となる可能性は決して低くはないように思えました。

そして、緑を狙う上で非常に心強いのが、 《鞍背ラガーク》 という分かりづらさの極致に位置するトップコモンの存在です。
僕自身がレビューの時に弱い呼ばわりして実証しているように、程度の差こそあれ一見では強さを判別しにくいカードであり、練習量の少ないプレイヤーが序盤でのピックを尻込みしてくれることが期待できました。
緑には 《鞍背ラガーク》 以外にも 《イトグモの蔦》 《壌土の幼生》 など見た目以上の強さを発揮するカードが存在しており、ピック時のラッキーが多く見込めるのが嬉しいカラーです。


実際に使ってみたら案外どころか非常に強かった一枚

赤と比べるとフィーバーしづらいため3-0を狙うにはイマイチですが、2-1を安定させる分には緑ピックがベストという判断。
行弘さんからも、緑を狙え!と力強いアドバイスを頂いて、後顧の憂いもなし。
『緑狙い』、具体的には不人気が見込まれる緑赤と緑多色志向を積極的に狙っていく方針でプロツアー『ゲートウォッチの誓い』のドラフトに臨みました。

【ドラフト編その2~結果発表(3-3)~】


それではの結果発表ですが、負けてしまった以上長く語るのも難なので簡略コースでお届けします。

一回目のドラフトは緑赤で1-2。

1-1 《ベイロスの虚身》 、1-2 《執拗な狩人》 、1-3 《鞍背ラガーク》 、1-4 《忍び寄りドローン》 から緑に一直線。
1パック目終了時点で2枚の 《鞍背ラガーク》 と3枚の 《忍び寄りドローン》 を回収して、卓内の緑を独占。
2-1では 《現実を砕くもの》 を引き当て、2-2では赤を決定づける 《抑圧的支配》 を確保、これは3-0かと思いきや、一寸先に闇が待っていました。

2-5で3枚目の 《鞍背ラガーク》 を優先して流したのを最後に 《荒地》 に出会うことができず、無色マナカードがデッキから追い出されるボロボロな構成になってしまいました。
2-2で流した 《鞍背ラガーク》 が一周するのは目に見えていて、渋滞しやすい四マナ圏であるラガークは三枚あれば十分なカードなのでこれは明確なミスピックでした。
ゲームの方も手札読みをボロボロ外したり、 《保護者、リンヴァーラ》 に完封されたりして、赤白二人に負けて一勝二敗と悔いが残る結果に。
『緑狙い』のトカゲ作戦自体はバッチリ嵌まっていただけに、日頃の練習不足がもったいなかったですね。

二回目のドラフトは青赤で2-1。

1-1 《忘却の一撃》 から、1-2で 《遺跡潜り、ジョリー・エン》 、1-3で 《巨岩投下》 、1-4で 《紅蓮術師の突撃》 と流れてきたのであとは流れに身を任せて青赤へ。
3-0を狙えるデッキに仕上がったものの動きが鈍いところを赤白に刈り採られて2勝1敗。残念無念。

まとめるほどの何かもないのでドラフト編はここで尻すぼみのままに終了。 モダン編へ移っていきたいと思います!

【モダン編その1~エルドラージとの遭遇~】

《欠片の双子》 《花盛りの夏》 が禁止されて激動が走ったモダン環境。
しかし、その大事件を脇に押しのけるほどのインパクトをプロツアー参加者に与えた奴らが『ゲートウォッチの誓い』には存在していました。

皆さんご存知の 《難題の予見者》 《現実を砕くもの》 のコンビです。
 
Thought-Knot Seer / 難題の予見者 Reality Smasher / 現実を砕くもの

すでにモダン環境にはエルドラージデッキの雛型が登場していたこともあり、このカードパワーが並外れた二体がモダン環境で暴れ回るのは必至に思えました。
そこで、スポイラーが発表された直後に早速従来の黒単タイプのマナベースを弄って試してみたところ、純粋にデッキが強化されていることをひとまず確認できました。
ただし、1.並外れた強化というほどではない、2.従来からの問題点である安定性の問題がクリアされていない、3. 《荒廃を招くもの》 《忘却蒔き》 が入ってる元のタイプと勝負すると不利がつく、と三点ほど問題があり根が深そうだったため一旦そこで調整を停止しました。

その後、合宿など情報交換の機会を経て、出会うプロツアー参加者全員が「プロツアー『ゲートウォッチの誓い』の勝ち組は完成したエルドラージビートダウンである」という認識を共有していたため、MO(マジック・オンライン)に『ゲートウォッチの誓い』が導入された直後に追加のプレイテストを実施。
巷で話題になっていた 《古きものの活性》 採用の黒緑タイプと、 《魂の洞窟》 から 《希望を溺れさせるもの》 《世界を壊すもの》 をプレイするタイプをテストして動きをチェックしたものの、そこで僕のエルドラージビートダウンのテストは幕を閉じました。

エルドラージビートダウンを使わないのは初めから決めていたことで、理由は調整時間が足らないのでおそらく直面するであろう同型対決の完成度で敵わないためです。
気持ちで負けていると言われたらそれまでですが、24時間MTG漬けで臨んでくる強豪チーム相手に同じアーキタイプのデッキをぶつけるものナンセンスなのでそれはそれこれはこれです。
いわゆるトップメタのデッキを使用した場合も同様に専業チームの晩御飯にされてしまう可能性が高いため、少しずらしたデッキを使う方針でデッキ選択に臨みました。

閑話休題-エルドラージデッキの感想-

エルドラージについての話をこれで終えてしまうのも難なので、各種エルドラージデッキについて軽く感想を呟くコーナーです。

●無色エルドラージ

完成度が高く美しく無駄がないプロのデッキらしいパーフェクトデッキリスト。
このデッキの肝は土地と呪文を無色に統一することで実現された高い安定性と、それを可能にした 《虚空の杯》 の採用ですね。
対応力の低さを克服した 《虚空の杯》 はこのデッキに欠かせないキーパーツで、この一枚に気づけなかった僕含む多くのプレイヤーは涙を流しました。
高橋純也(通称らっしゅ)が自身の攻略記事の中で似通ったデッキリストを組み上げているように、日本国内でも芽生えがあっただけに色々と惜しいですね。
この部分を語りだすとディープな話になってしまいますので、ここでは単独でチャネルのデッキリストに近い位置まで辿り着いていたらっしゅすごい!というさらっとした結論で一つ。

さてそんなこんなでプロツアー当時は至高のデッキの一つであった無色エルドラージですが、完成度の高さの背中合わせとして遊びがないため対応力に乏しい弱点を持っているため、エルドラージビートダウンのデッキリストが一般に認知されてしまった現在は有体に言って優位性をほとんど持たないデッキリストでもあります。
《罠の橋》 《崇拝》 のような置物に弱いのは勿論、コントロールデッキ相手やエルドラージビートダウン対決でも最弱に近いデッキリストなので立場があまりよくないですね。
エルドラージビートダウンの流行が下火になり、 《虚空の杯》 《呪文滑り》 が有効な高速コンボだらけな環境になった時に再び担ぎ出されるデッキという印象です。

●青赤エルドラージ

《不快な集合体》 なんて気づけません!(悲鳴)
名実ともにプロツアー『ゲートウォッチの誓い』のベストデッキであり、ビートダウン界最強デッキの一つとして今使っても非常に強いデッキですね。
シンプルに素晴らしいデッキだと思うので、あまり語ることもないです。

●赤緑エルドラージ

PT後にMOで登場した新式のエルドラージデッキ。
《古きものの活性》 やマナベース水増しのおかげで安定性も高くデッキとしての完成度はピカイチであり、自分がエルドラージビートダウンを使うならこのデッキか青緑のエルドラージデッキですね。
《世界を壊すもの》 の持つ高い対応力が光り、他のエルドラージデッキよりも土地が伸びやすいため、 《ウギンの目》 起動モードが現実的なのも強いです。


総じてエルドラージビートダウンに関しては様々な要因によりPTは制したものの、デッキパワーはやや強いデッキ程度なので、フォーマットを壊したり禁止カードを排出したりなどすることはなく、メタゲームの範疇にあっさり収まるものとみられます。
MOでは、赤白プリズンや 《崇拝》 をメインボードに採用した白緑デッキなどが開発されたり、親和マーフォーク、ランタンコントロール、リビングエンド、多色コントロールデッキなどエルドラージに相性が良いデッキを使用するプレイヤーが増加したりなどの動きが観測でき。むしろ健全にメタゲームを回すカンフル剤となっています。
問題視したいのはどちらかと言えばメタゲーム上に存在する他のデッキたちで……ということで次の話に移っていきたいと思います。

【モダン編その2~アンフェア王決定戦~】

感染! バーン! 親和
環境トップを牛耳るはフェアデッキの皮を被った三ターンキル三人衆!

Glistener Elf / ぎらつかせのエルフ Goblin Guide / ゴブリンの先達 Arcbound Ravager / 電結の荒廃者
ZOO! グリセルシュート! アドグレイス! 赤緑ウルザトロン! 召喚の調べコンボ! 風景の変容! リビングエンド! 裂け目の突破
その下に控えるデッキも、対戦相手との対話はほどほどに、理不尽な敗北を三段飛ばしで投げつける、不条理デッキの大海原!

Emrakul, the Aeons Torn / 引き裂かれし永劫、エムラクール Scapeshift / 風景の変容 Living End / 死せる生

お目付け役だった欠片の双子デッキがいなくなった影響で、今まで曲がりなりにも抑えられていたキルターンの速さに全てを賭けるアンフェアデッキたちに春が訪れました。
その結果誕生したのはあの手この手で様々な角度からみんながキルしてくるせいで対応型のデッキが対応しきれない闇世界。
コントロールデッキは不在となり、ビートとコンボがスピード勝負をする世紀末になるのではないかというのが戦前予想されていたプロツアー『ゲートウォッチの誓い』のモダン環境です。
グーしかないじゃんけんで好きなグーを選んでバトルしようみたいな状況なのでかなり人を選ぶ環境であり、蛮族気質な僕からすると大好物でしたが、コントロールデッキが好きな人なんかには地獄のような環境でした。
まあそんな環境もエルドラージビートダウンがかき回してくれたおかげで復調の兆しが見えているわけですが、閑話休題。

そんなこんなでどんな蛮族(デッキ)が目の前に現れるかわからないジャングル(環境)に足を踏み入れることになってしまったわけですが、幸いなことに明確なトップメタが三つが存在しているおかげで混沌の環境にも一定のルールは存在していました。
すなわちバーン感染親和のうち複数に不利なデッキはまず持ち込まれないという共通認識であり、同時に 《石のような静寂》 《神聖の力線》 《呪文滑り》 には頻繁に出会うことになるため、それらのカードが劇的に刺さるデッキも基本的には戦力外という裏ルールです。
つまりは、いくら世紀末環境でスピード勝負環境とはいっても、サニーサイドアップやライブラリーアウトみたいなデッキを持ち込むと、トップメタに戒められたり、サイドカード一枚に完封されたりと煮え湯を飲むことになるため、理性あるデッキ選択をという話です。

そう、理性あるデッキ選択をしなければならないことは重々承知だったのですが……ダメな子ほど可愛いものでサニーサイドアップ(こんなデッキです)の調整という名の一人回しに一昼夜を割いてしまった結果、正気に返って主要メタを一通り回した頃には残り時間が僅かになっており、二つのデッキを調整する余裕はなく、最終候補に残ったデッキから一つを選んで煮詰める方向にシフトする羽目になってしまいました。

最後に残った候補は四つ。

欠片の双子の後継者、トリコキキジキ。
バランスに優れる、召喚の調べコンボ
見た目が最強、グリセルシュート
いつも使っている、ウルザトロン。

Kiki-Jiki, Mirror Breaker / 鏡割りのキキジキ Chord of Calling / 召喚の調べ Goryo's Vengeance / 御霊の復讐

ここからまず、召喚の調べコンボがマナクリーチャー依存の安定性欠如とトップメタ相手の勝率を理由に、グリセルシュートが他の日本勢とデッキが被ってつまらないことを理由に候補からはじき出されました。
そして、残ったトリコキキジキを四半日テストしたところそこそこの好感触は得られたものの、主な勝ち方が除去呪文で相手の動きを抑え込んで勝利というものであったため、やりたいもの勝ちのプロツアーに持ち込むのには不安が残り、除去呪文以外には突き抜けた部分もなかったため、脱落。
なんだかんだ理由をつけてはここ数年はトロンばかりを使い続けている状態なので茶番ではありましたが、めでたくデッキが決定しました。ワーパチパチ。

一口にトロンと言っても色々ありますが、今回選択したのは 《白金の天使》 を使用したいわゆるエンジェルトロンと呼ばれるタイプ。
前回のプレミアイベントであるMOCS本戦でお世話になった青白トロンは受け身なデッキであるため、トリコキキジキと同様の理由で今回は回避。
他の青系ウルザトロンや赤緑ウルザトロンも三キル環境に持ち込めるデッキではないため、再びの消去法で使用デッキが決定されました。
調整途中で 《作り直し》 から 《白金の天使》 をサーチするおぞましいデッキを経由したりもしましたが、それ以外ではデッキの形は調整の最初から最後までほとんど変わらなかったため、まず本戦で使用したデッキリストを公開してから話を進めていきたいと思います。

【モダン編その3~使用デッキ~】


適当に解説をだらだらと。

エンジェルトロンについて

ウルザランドからプレイした 《白金の天使》 を守りきって勝利するデッキです。
《ウギンの目》 から後続の天使を呼び出し続けたり、 《呪文滑り》 《否定の契約》 、新人の 《難題の予見者》 などで相手の除去呪文を乗り越えることを目論みます。
《白金の天使》 の除去手段が少ないデッキ相手に相性が良く、本来トロンが苦手とする三ターンキル系統のデッキ相手の相性が改善されていますが、代償として除去スロットが圧迫されるため、ジャンド 《集合した中隊》 系デッキ相手の相性が悪化しています。

ワームとぐろエンジと解放された者、カーンについて

《解放された者、カーン》 については単純に環境の速度についていけていないのでお役御免です。
双子と護符が健在だったころはその二つのデッキに対してプレイしたいカードだったので選択肢に入りましたが、現在ではメタゲーム上位にプレイしたい相手がいないため採用する理由がありません。

《ワームとぐろエンジン》 については、コンボデッキとの対戦や安定性を意識していたため 《難題の予見者》 やドローサポートを優先してメインボードから外し、サイドプランとしてアーティファクト破壊の対象を全抜きするプランを取っていたためサイドボードからも外されてしまっています。
しかし、エルドラージデッキ相手に有効な一枚で、単純に使い勝手がいいカードでもあるので後で紹介する現在のリストではサイドボードに採用しています。

《難題の予見者》 について

Thought-Knot Seer / 難題の予見者
試しに使ってみたところ強かったので本採用。
四マナという軽さのおかげで小回りが利き、ビートダウン能力も高いためサブプランとしても優秀であり、コンボデッキやコントロールデッキとの対戦で大活躍します。
ウルザ土地さえ揃ってしまえば 《ウギンの目》 からサーチして二マナで即プレイの動きで手軽に量産可能であり、瞬く間に横に並び速やかに対戦相手を殴り倒すナイスガイならぬナイスアイです。

《探検》 について

Explore / 探検
《難題の予見者》 を三ターン目に出すために 《精神石》 を採用したものの、アーティファクト破壊に引っかかってしまったためこちらに変更したところ色々と便利だったので採用。
エルドラージビートダウンが流行している影響で 《幽霊街》 などの土地破壊が流行っているためカウンターカードとして優秀です。

サイドボードについて

黒相手は手札破壊意識で 《否定の契約》 全抜き。
白相手は 《石のような静寂》 意識で 《ミシュラのガラクタ》 などアーティファクトを極力減らす。
フェアデッキ相手は 《白金の天使》 《否定の契約》 を抜いて、真っ向勝負。
サイドボード後は基本的にはアンフェアデッキ相手は引き続き 《白金の天使》 による勝利を、フェアデッキ相手は 《難題の予見者》 を軸にしたビートダウンによる勝利を目指します。

前述の通りにこのリストは相手のアーティファクト破壊を不発させることを目論んで構築されていたため、普段よりも 《白金の天使》 や後手時の 《探検の地図》 をサイドアウトする機会が多かったです。
また、 《外科的摘出》 は墓地利用デッキ相手は勿論、 《幽霊街》 との組み合わせを狙って特殊地形デッキにサイドインしたり、 《瞬唱の魔道士》 《永遠の証人》 相手にも一~二枚サイドインしたりする見た目以上によく使うサイドカードです。

使用理由など雑感

先の流れから単純に消去法で選ばれた印象があるデッキですが、もちろんそんなことはなくそれなりの選択理由は存在しています。
高橋純也(らっしゅ)の記事の文中でも「ソリティア殺しのソリティア」として紹介されているようにアンフェアデッキに強いアンフェアデッキであるという特性がアンフェアデッキの祭りとなる今回のプロツアーにベストマッチしているというのが選択理由のその一、その二がアンフェアデッキがトップメタにいるためこのデッキが苦手とするクリーチャーコンボデッキを使用するプレイヤーが少ないことが予想されるからで、その三が使い続けているデッキで慣れているからで、その四が新しいカードの 《難題の予見者》 を使えて楽しいからです。
実際 《難題の予見者》 ビートダウンという新たなパターンを手に入れた恩恵は大きく、ウルザトロンというアーキタイプが新たなステージに進み始めたという手ごたえを感じていました。

では、そんな自信満々の新生ウルザトロンの戦績はどうだったのか! 結果は如何に! ドン!

【モダン編その4~結果発表(5-5)~】


はい、勝敗イーブンのボンダ君でした。
もう手遅れな部分はありますが敗者は語らずシステムでさっくりいきましょう。

× ジャンド
○ 親和
○ リビングデス
○ グリセルシュート
× ジャンド

ジャンド相手は 《闇の腹心》 スタートされたらまず負ける構成になってしまっているので仕方ないですね。
それでもランプデッキの強みがあるため勝率四割前後はあるのですが、最終ラウンドのジャンドはサイドに 《石のような静寂》 まで取っている殺意に目覚めたジャンドだったのでサイド後は手も足も出ず惨敗!

○ バーン
× 親和
× 召喚の調べコンボ
× 親和
○ デス&タックス

天使を全く引けなかったり、トロンが全然揃わなかったりで親和相手にボッコボコ、ソリティアに殺されるソリティア状態。
召喚の調べコンボ相手は 《難題の予見者》 がブイブイ言わせる良いゲームではあったのですが一本目も三本目も一枚分追い付かず天使のいない状況でコンボを許してしまい敗北!

反省点はいくつかありますが、ぐだぐだ語るよりも今のリストを出した方が一目瞭然ということで現在使用している最新リストがこちらになります。

気になるエルドラージビートダウン相手の相性ですが、無色と青赤には有利、赤緑にはやや不利という見たまんまのボチボチ仕様になります。
プロツアーではぼちぼち負けてしまってお味噌がついているデッキですが、雛型としてはまあ面白いんじゃないか程度の自己評価はまだ残ってます。
ウルザトロンの調整に行き詰ってる方、ソリティアデッキに殺意を燃やす方、一風変わったデッキで遊んでみたい方、そんな方々にこのデッキをお薦めして、このレポートを締めたいと思います。

ご愛読ありがとうございました!

終わりに


今回のプロツアーは残念賞だったわけですが、ひとまず次回のプロツアーも参加できるのでそちらを今回の経験をばねにして頑張りたいと思います。

それではレポート関連はこのあたりで切り上げて恒例のアーキタイプの更新報告です。

現在は主にスタンダードの各アーキタイプを随時更新中です。
アブザンジェスカイマルドゥ赤単ビートダウンエルドラージランプなどを更新。
また。赤黒ドラゴンもとい赤黒ビートダウンと、青赤果敢のアーキタイプページを新設。
さらに、エルドラージビートダウンを新設して青黒エルドラージのページと統合しました。

スタンダードページの今後の予定としてはバントカンパニーやカリタスコントロールのページを作ったり、ハスクサクリファイスもとい先祖の結集コンボのページを更新していきたいなと考えています。

また、モダンについてもエルドラージビートダウンのページをプロツアーの結果を受けて更新しました。
そして、欠片の双子が去ったことで、今後増えていきそうな召喚の調べコンボのページを作成しました。

今後の方針として、今回作成したアーキタイプページのように雛型だけはまず作りデッキリストを割り振り、記事の中身はおいおい編集の方向でアーキタイプページの作成を早め早めに行っていきたいと考えています。

更新の進捗については引き続き次回の小通信やDigのツイッターアカウントの方で報告させていただく予定です。

では皆さん、次回のアーキタイプ小通信でまたお会いしましょう!
今週も良いマジック・ライフを!
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