デュエル・マスターズ グランプリ-4th テキストカバレージ

テキストカバレージ 決勝戦:しゅーいち vs. カムイ

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物語を紡ぐ事とデュエルをする事は同じだ。

「デュエル・マスターズ」は、複数の物語が並行して紡がれるTCGだ。

コロコロとアニメで紡がれる切札家の物語。

カードで語られる超獣世界の背景ストーリー。

そして、実際にそのカードを手に入れ、対戦するプレイヤーによって紡がれるデッキ構築と対戦のリアルな物語。

不思議なことに、3つの物語は並行した別々の物であるにも関わらず、奇妙に、相互に干渉して、より複雑な「デュエル・マスターズ」という物語を紡いでいく。

もちろん、切札家の物語と背景ストーリーは人のつくりし物語なのだから、相互関係があるのは当然と思うだろう。だが、リアルな物語は違うはずだ。にもかかわらず、プレイヤーたちの紡ぐ物語は、時にふたつの物語を想起させる展開をみせる。

これまでに、数々の物語を歴史に刻んできたデュエマグランプリ。

その4回目。新シリーズが始まった直後のこの大会の決勝は、前シリーズの主人公、切札勝太の切り札が詰まったモルネクと、新主人公、切札ジョーの産みだしたカードで作られたジョーカーズの対戦となった。

モルネクを使用するカムイは、背中に 《龍の極限 ドギラゴールデン》 を。

ジョーカーズを使用するしゅーいちは、背中に 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 を。

それぞれ背負って、最後の戦いを始める。

Game 1

じゃんけんで先手はしゅーいち。 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》 をプレイし、 《パーリ騎士》 を手札に入れる。対するカムイは 《偽りの王 ヴィルヘルム》 をマナチャージ。続く2ターン目にしゅーいちは 《ヤッタレマン》 を召喚すると 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》 をプレイし、《ナッシング・ゼロ》《プレリュード》 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》 と手札に入れる。

カムイも負けじと 《メンデルスゾーン》 で2枚ブーストに成功する。

《ジョジョジョ・ジョーカーズ》 《超特Q ダンガンオー》 を手札に入れると、 《パーリ騎士》 を召喚。返しでカムイは《無双竜鬼ミツルギ・ブースト》で 《ヤッタレマン》 を破壊する。
互いに最速に近い動きをみせたこのゲームだが、先手後手の差が出る。しゅーいちは 《戦慄のプレリュード》 から 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 を召喚。

そして、このアタックからの 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 !さらに3枚の無色カードがめくれ、5枚のブレイクに成功する。

ここでカムイはトリガーを引くことができず、 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 のエクストラウィン決まった。

しゅーいち 1-0 カムイ

引き金を引くのは1度だけだ。

そんなジョーと 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 の信念を実現し、本当に1回のアタックでゲームを決めたしゅーいち。

それを実現したのは 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》

これまで、ブータンデッキなどで使われていた事もあるカードではあるが、いわゆるガチのトーナメントシーンではほとんど見ることのなかったこのカードが、 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 のマスター・W・ブレイカーとエクストラウィンとの相性の良さを見出され、突如トーナメントレベルのカードとしてみなされるようになった。

それで言えば、2マナの軽量無色クリーチャーが登場したことで 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》 もトーナメントレベルのカードなった。

ジョーにカードとしての命を吹き込まれたジョーカーズたちが、かつてのカードにトーナメントレベルとしての命を吹き込んだ。

15年の歴史を持つデュエル・マスターズ。かつてのカードが新たな価値を与えられる事はいくらでもある。

そして、それを見出し、使いこなしたしゅーいちが一本目をとった。

Game 2

互いに最速の周りだったが、先手後手の差で届かなかったカムイ。続くGame 2は先手でゲームがスタートする。

まずは 《龍の極限 ドギラゴールデン》 をマナチャージ。しゅーいちは1ターン目のアクションはなかったものの、対するカムイも2ターン目のマナ加速ができない。

ここでしゅーいちが2ターン目に 《ヤッタレマン》 を召喚し、一歩リード。対するカムイは3ターン目のマナ加速も無い。

しゅーいちの後手3ターン目。手札の2枚の 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 を見つつ長考に入る。結果、 《タイム・ストップン》 をチャージすると 《洗脳センノー》 を召喚。そして…… 《ヤッタレマン》 でアタック。

アタックチャンスで2枚の 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 を全て使用。最初に見えたジョーカーズは全て山札下に送り、続く 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》 と2枚の 《ヤッタレマン》 を山札トップに残す。これで6枚ブレイクが確定する。

この5枚のブレイクからトリガーするのは 《熱血龍 バトクロス・バトル》 《洗脳センノー》 とバトルし、少しでも負ける可能性を減らす。続くターンにカムイは 《メンデルスゾーン》 をプレイする。

一気にカムイのシールドをゼロ枚にしたしゅーいちは、先程積み込んだ 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》 をG0で使用し、 《ヤッタレマン》 2枚と 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 を手に入れると、 《ヤッタレマン》 でダイレクトアタック!

このアタックは革命ゼロトリガーの 《ボルシャック・ドギラゴン》 で止めたとは言え、しかしまだ、油断のできないカムイ。

しかし、ここでカムイは 《怒英雄 ガイムソウ》 を召喚。そして、能力でバトルゾーンに出たのは 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 。バトルゾーンに出たターンにアンタップに殴れる能力を活用し、 《ヤッタレマン》 を1体倒しつつ、バトル勝利のボーナスで次のターンに負ける可能性をなくす。

安心安定の状況を作り出したカムイは、続いて 《ボルシャック・ドギラゴン》 でアタックし、 《ヤッタレマン》 をバトルで破壊して盤面を一掃しつつ、T・ブレイクでしゅーいちはトリガー無し。ターンエンドに 《怒英雄 ガイムソウ》 によって 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 が手札に戻る。

3ターン目の6枚ブレイクから一転、一挙不利になったしゅーいちなのだが、続くターンにも 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 の召喚が確定しているので、アンタップキルからの敗北回避を回避するためにクリーチャーを出せず、ターンを終えるしか無い。

カムイは 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 を召喚すると、《ガイムソウ》で2枚ブレイク。ここでトリガーが無く、 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 がダイレクトアタックを決め、勝負はGame 3へと委ねられる。

しゅーいち 1-1 カムイ

中学生となった勝太の物語は、背景ストーリーで言えば、ドラゴン・サーガはグレンモルトの物語、革命編・革命ファイナルはドギラゴンの物語だった。

《超戦龍覇 モルトNEXT》 は、力に溺れ慢心した、吐き気を催す邪悪 《龍覇 ザ=デッドマン》 の悪意から世界を救った。

《龍の極限 ドギラゴールデン》 は、世界の全てを破壊する、意味すら超えた最悪の存在 《終焉の禁断 ドルマゲドンX》 から世界を救った。

彼らは常に主人公で、彼らの敵は、常に理由すら必要のない悪だった。

そして、カムイが使用するモルネクというアーキタイプは、そのふたつの切り札を内包した中学生勝太の総決算と言えるデッキであり、作られた物語であれば、どんな巨悪が相手でも負けることのない、文句のない主人公のデッキと言えるだろう。

だが、モルネクがこの決勝で戦う相手、ジョーカーズは悪ではなく、そしてカムイが戦うしゅーいちは、言えば共にデュエマの物語を紡ぐ同志だ。

競技という場で、純粋にどちらの力が上かを競い合う戦い。

だからこそ、勝者は賞賛されるべきだ。

この最後の戦いに勝った方が、このDMGP-4thという物語の主人公となる。

Game 3

先手のしゅーいちは 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》 から 《ヤッタレマン》 を手に入れる。これを見てカムイは嫌な顔をする。そして、2ターン目に 《ヤッタレマン》 。カムイは2ターン目にマナ加速が打てない。

続いて 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》 《パーリ騎士》 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 を手に入れると 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》 《超特Q ダンガンオー》 を手に入れ、残ったマナで 《パーリ騎士》 を召喚する。

ここで再び 《ヤッタレマン》 からの 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 を考慮するのだが、 《ヤッタレマン》 に手をかけて、やはりアタックをせず、ターンを終了。対するカムイは 《フェアリーの火の子祭》 でマナを増やす。

温存した 《ヤッタレマン》 の軽減を活かして、ここで 《超特Q ダンガンオー》 を召喚し、さらに 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》 でのアタックチャンスも含めてまたも全てのシールドのブレイクを確定させる。そして、カムイはここでトリガーを引くことができない。

そして、 《ヤッタレマン》 でのダイレクトアタック!

……だが、これは決まらず。カムイは3体の 《ボルシャック・ドギラゴン》 を使用することを宣言する。1枚こそ呪文がめくれたため手札に戻っていったが、 《メガ・マグマ・ドラゴン》 が進化元になったことで、しゅーいちのバトルゾーンは一掃されてしまう。

《メンデルス・ゾーン》で2マナ加速しつつさらに 《フェアリーの火の子祭》 を使用し、8マナに加速したカムイ。

ここでターンが帰ってきたしゅーいち。ドローしたカードをチャージすると、6マナで温存していた2枚目の 《超特Q ダンガンオー》 が召喚され、即アタック!!

だが、さきほど、偶然にもカムイの手札には1枚の 《ボルシャック・ドギラゴン》 が戻されており、これが革命ゼロトリガー宣言され、バトルゾーンに降臨、 《超特Q ダンガンオー》 はバトルで破壊されてしまう。

つづくカムイのターン。
《怒英雄 ガイムソウ》 が召喚され、マナ武装でバトルゾーンにでるのはデッキの代名詞 《超戦龍覇 モルトNEXT》 。バトルゾーンに出されるドラグハートは 《爆熱天守 バトライ閣》 。そして、この 《超戦龍覇 モルトNEXT》 のアタックでめくれたのは、なんと《二刀龍覇グレンモルト「王」》。

装備されるのは 《銀河大剣 ガイハート》 《無敵王剣 ギガハート》 。ガイギンガの成長の歴史を両手に王がバトルゾーンに立つ。

この 《超戦龍覇 モルトNEXT》 のアタックで 《バイナラドア》 がトリガーし、王は顔だけ見せて山札下に退場。そして 《超戦龍覇 モルトNEXT》 が龍マナ武装でアンタップする。

2度目の 《超戦龍覇 モルトNEXT》 のアタックでの 《爆熱天守 バトライ閣》 でめくれたのは、革命ファイナルのラストを飾ったレジェンド、 《龍の極限 ドギラゴールデン》 。バトルゾーンに出た時の能力で 《バイナラドア》 がマナゾーンに送り込まれる。このWブレイクでもトリガーは無し。

この時点で、カムイのバトルゾーンには 《ボルシャック・ドギラゴン》 が3体。シールドはゼロ。

一方のしゅーいちの手札はゼロだが、 《龍の極限 ドギラゴールデン》 の能力でマナが7マナに、そう 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 を召喚するのにピッタリのマナにお膳立てされている。

そして、残るシールドは1枚。

もし、これが作られた、ありがちな物語ならば、最後の1枚は 《タイム・ストップン》 で、次のしゅーいちのドローは 《ジョリー・ザ・ジョニー 》 だろう。そのお膳立ての為に 《龍の極限 ドギラゴールデン》 はめくられたのだろう。

だが、これは生きた人間が紡ぐリアルな物語。

《ボルシャック・ドギラゴン》 でブレイクされたシールドを勢い良くめくったしゅーいちは、一瞬眉をしかめ、そして、すべてを諦めた表情となった。

しゅーいち 1-2 カムイ
「スタート」ダッシュ・バスターに始まり、ドギラ「ゴール」デンに終わった切札勝太の物語。

そのストーリーは、息子である切札ジョーに勝利し、主人公としての歴史をみせる形で終わった。

そして、このDMGP-4thも、せいなが王者となった日本一決定戦に続きモルネクが勝利し、ビクトリーとレジェンドを詰め込んだデッキの、その強力さを見せる形で終わった。

だが、切札ジョーの物語は始まったばかりだ。そして、ジョーカーズの歴史もはじまったばかりだ。勝太の切り札が次々と強化されていったように、今後はジョーカーズが、そしてまだポテンシャルをみせきっていない新種族が強化されていき、きっと、王者に、覇者になる日がくるかもしれない。

7月の熊本。そして、この大会で発表された10月の京都DMGP-5th。

切札家の物語が続き、「デュエル・マスターズ」が発売され続け、そして「デュエル・マスターズ」を真剣にプレイするプレイヤーが居る限り、このリアルな物語は紡がれ続け、新たな主人公も生まれ続ける。

対戦が終了し、コメントを求められた17歳の主人公はインタビューでこう語った。

カムイ 「僕を負かすためにがんばってください」

競技である以上、勝敗によって物語は紡がれる。

おめでとう、カムイ!DMGP-4th覇者!
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